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激動のクラスマッチから数日。






クラスマッチは女子は見事に優勝することができた。

男子も3位で、全体的に喜べるような結果だった。








しかし、太一との一件で頭を抱えるようになった私は

面と向かって会うのが気まずくなり、

その姿を見ては慌ててその場から逃げ出したり、

隠れるようにしていた。




そして、そのせいか疲労困憊の日々が続いていた。









「ミンミン…私はもうダメだ…」









机にうつ伏せになりながら、

前の席のミンミンにそう訴える。





すると、








「はっ、元からだろ。」







彼は前を向いたまま冷たくそう返した。








「……」


「ってぇ!お前いまグーで殴ったな!?」








腹が立ったから少しだけ体を起こし、

手をグーにして目の前の背中を強めに叩いた。





ミンミンへの仕返しを終えて、

「うぅ〜」と弱々しい声を出しながら再び机に伏せる。









「…クラスマッチのとき、何かあったのか」


「……え、なんで、」


「いや、そん時から様子が変だから」









少しだけ顔を上げると、

その背中の向こう側から心配するような声が聞こえた。









ミンミンは本当に周りをよく見てる。







同級生や後輩の子達からよく慕われてるのを見るけど、

たぶん彼のこういう一面のおかげだろうと思う。







「ねえ、ミンミン」


「ん?」


「次の休み時間、ちょっと相談に乗ってほしい」



















「…マジかよ」







次の授業との休み時間、

数日前にあった事と、自分の気持ちのことを

全て伝えると彼は少し驚き、すぐに落ち着いた表情で呟いた。









「つまり、川西を可愛い後輩ではなく、

異性として意識してしまうようになったと。」



「っ……はい…」








そうハッキリと言われると少し恥ずかしくて、

目を逸らしながら机の上で両手の指先を弄ばせた。









「って事はよ…A、お前、」









その先の言葉を待つかようにミンミンが真っ直ぐにこちらを見る。









「た… 太一を、好きになっちゃったぁ……」









聞こえるか聞こえないかぐらいの小声で言う。



恥ずかしさが限界を超えて、

「あぁーっ!」と顔を両手で隠して勢いよく机に伏せた。







私の声に周りがビックリしたのだろう。




ミンミンが「大丈夫、情緒不安定になってんだよ。」と

笑って返す声が聞こえた。

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作者名:nome. | 作成日時:2017年2月12日 0時

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