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どうしようもなくて ページ11

『今日の英おかしいよ、どうしたの…?』



「何って、お前の彼氏俺しか居ないじゃん。

他に男でもいんの?いないだろ。

俺がやるしかないよね。」





何故か早口で論破してくる英。


口答えする余地もない。





時は放課後、体育館へ向かう途中に話をしている。





『まぁ嬉しかったからたまにあーゆーことやって欲しいな!』



「何言ってんの、もうしないよ。」





なんなんだこいつは。



ショックをモロ出しにして英の隣を歩いていると、後ろから声が聞こえた。





「あ、国見くん。今日レイジくんだね!」





同じクラスで英の隣の席の女の子。


クラスの高嶺の花とも言われている、可愛くて私とは真逆のタイプの子。


私は趣味の話か、と隣で黙って話を聞く。





「だね。生放送楽しみ。」


「ね〜!そうだ、神絵師さんが描いたかっこいいイラストがあるの!

見せてお話したいから夜連絡してもいいかな?」





その時、何故かゴーンと頭に何かで殴られたような感覚がした。


勘の悪くない私だ、彼女はきっと英を狙っている。


こんだけ可愛くて性格も良い子だもん、英みたいな不思議なタイプに惹かれるよね…





「いいよ。」





対してOKを出した英には、苛立ちの感情が湧いてきた。


私はヤキモチ妬きなので目の前でこういう会話をされると逃げたい衝動に駆られる。





彼女と連絡する時間は少ないのに、同担と語り合う暇はあるんだな〜……。





我ながら重たいと思うし、この子にそんな気があるとは限らない。

でも今、彼の彼女なのは私。


しかも1回ではないこの会話。

見せつけられてるかのようにやられれば、耐えられないに決まってる。





『私もレイジ様のこと推しって言ったら構ってくれるのかなぁ…』





ボソッと呟いてしまったのに気づき、私は慌ててその場から離れようとする。






『あ、じゃあ仕事あるから、あとはごゆっくり!

英も早く準備しなね!』





趣味の合わない彼女より、推しが同じ女子の方が話が合うのは事実。



実際3分でも通話はしてくれたし、文句を言う筋合いは私に無い。

とりあえず自分のわがままを押し通すのはプライドにも障るので、話のわかる彼女を装って部活へ向かう。




「あ、A!」





立ち止まらずに前だけを向いて体育館へ行った。



相手にされなかった悔しさからなのか

わがままを抑えきれなかったのか。



頬からは涙が伝っているからだ。

心の内→←聞こえてた



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yuiki(プロフ) - 雪見ユキバさん» うわああありがとうございます!頑張ります!!! (2019年11月27日 17時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
雪見ユキバ(プロフ) - もう好き…大好き…更新頑張ってください…いつまでも待ってますんで… (2019年11月27日 16時) (レス) id: 29b8aaca97 (このIDを非表示/違反報告)
yuiki(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます…!更新ペースあげられるように頑張りますっ (2019年11月25日 17時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 国見氏かわえぇです…次も楽しみにしてまっす (2019年11月25日 16時) (レス) id: 755c13a381 (このIDを非表示/違反報告)
yuiki(プロフ) - 妖精さん» そう言って貰えるとすごく嬉しいです!!先の展開はまだ分からないので、是非読み続けて下さい! (2019年11月12日 4時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuiki | 作成日時:2019年10月27日 7時

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