9.お誘い ページ10
『い、岩泉くん!!』
「あ?」
『ひっ…』
夏休みも近づいてきた部活OFFの放課後のことだった。
驚いて出た声がとてつもなくドスの効いた声だったのだろう。
俺にビビってる。
「すまん、急に声かけられたから驚いて。」
河合は笑顔で大丈夫、と答えた。
『でさ、あの…おっ、お祭り…行かない?』
「は?」
『ひっ…』
好きな奴に誘われるなんてことは今までで初めてだった。
驚いてまたドス効きまくりの声出しちまったじゃねぇか。
「すまん、こっちも驚いて。
祭り…俺でいいのか?」
河合は…
『今度は大丈夫じゃないよ、ちゃんとお誘いしてるんだから…』
頬をほんのり赤くして、それなら良かった、と嬉しいのかよくわからない顔で笑った。
「俺、気利かねーし一緒に行ってもつまんねーと思うけど…」
『……岩泉くんと一緒に行けるだけで私は楽しいけどな。』
「は…?///」
予想外の返答に俺は焦った。
女子の喜ばせ方も何も知らない俺にこんなこと言う奴も初めてだ。
これは一緒に行くほか無いだろう。
「…い、行きたい。」
河合は緊張していたのか、ぎこちなかった顔をぱあっと輝かせた。
『ほんと!?嬉しいな、高校生最後の夏に岩泉くんと行けるなんて!!』
心底喜んでいる様子。
表情ひとつで考えてることがわかるのは、
コイツの良いところなのか、
はたまた俺がコイツにしか目がいってないからなのか。
「俺も嬉しいよ。」
まぁとりあえずそんなことは俺には関係なくて。
好きな奴くらいには素直になろうと思った。
『あ…ありがとうね、それじゃまた、LIMEするね!』
河合は駆け足で帰って行った。
101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuiki(プロフ) - 紫蘇さん» ありがとうございます!男の子視点だったので感情移入しやすい作品を作りたかったので! (2020年1月12日 21時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
紫蘇 - 泣きました、めっちゃ良かったです(T−T) (2020年1月12日 21時) (レス) id: 7a199b70b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yuiki | 作成日時:2019年7月16日 10時