無口少女、だけど本当は…？３【忍たま】

無口少女 色とりどり ページ24

重い





最初に感じたことはこれ

何でこんなに重いんだ…？





目を開ける





『……は…？』





あの子が覆いかぶさっているのかと思ったが





『…何これ』









私に上着が掛けられていた…たくさん

何人分だよ





「…ワウ」





後にはあの子が私を囲うよに寝ていた

あのまま寝てしまったんだっけ…だから上着か

それにしても





『鮮やかな色…』




上から順に

１年生、２年生、３年生、４年生、５年生、６年生

の上着がかかっていて色鮮やかで綺麗だった

薬品の匂い、火薬の匂い、紙の匂い、墨の匂い

様々な匂いがして少し可笑しかった





『…ｯ………ﾌｯ』





最初に掛けられた上着は





『これで２回目だ』









三郎のだった









頬が冷たい。

触ってみると少し濡れていて…昨日、自分がどれだ

け泣いたのかがよくわかった





散々泣いたお陰か気持ちがスッキリしている

…お昼前か





『よいしょっと』





濡れた頬を拭いながらまず１年生の所へ向かった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





とても驚いた、上着を返しに行ったらみんな肩衣姿

で…寒かっただろうに

皆に理由を聞いても









［必ず上着を返しに来ると思ったから］





だって…なんだよそれ

少しばかり怒られはしたがみんな優しく笑いかけて

くれて、とても嬉しかった





ﾄﾝﾄﾝ





仙蔵「…来たか」





襖を開け





『失礼します』





６年生柄揃っている部屋に訪れた

やはり肩衣姿だ





『皆さん、上着ありがとうございました。

…とても助かりました』





各々に上着を渡す





小平太「すまんな、汗臭かっただろう」





まぁ、小平太さんのはそうだったけど





『なんというか…そのお陰で逆に安心しました』





正直に伝えると、ニカッと笑い









小平太「そうか、お前変態だな！」





なかなか心に刺さることを言われた





『違います』





小平太「あはは！冗談だ冗談！」





頭をぐしゃぐしゃに撫でられる

…やはり落ち着かない





伊作「あー…僕のは薬品臭かったかな？」





頬を掻きながら





『そうでしたけど…薬の匂いは嫌いではないので

…勝手に保健室から出てきてしまってすいませんで

した』





頭を撫でられながら





伊作「スッキリした顔してるから許す」









素晴らしい笑顔で言われた

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