あなたといた時〜T.F〜

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初めまして。

俺、藤ヶ谷.太輔って言います。





盟海大学経済学部経済学科１年D組です。




…で、俺、ジャニーズJr. です。




大学の中には俺の事知ってくれてる人も多くて
中にはファンだ、って人もいた。






今も、今までも


俺が"ジャニーズ"だから、って
のこのこ寄ってくる女なんてたくさんいた。








本気で好きな人に出会わなかったから
そんなの誰も相手にしなかったけど。








そしたら、
ジャニーズだからって調子乗んな、
とか言われたこともたくさんあった。









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映像見る授業の前に急にお腹痛くなって
トイレこもったんだよ、俺。






で、落ち着いた頃には
もう授業始まる時間過ぎてて。







行かなくてもいんじゃね？とか思ったけど
最初だし行っとくか、ってことで
遅れてこっそり入室。








ちょうど後ろの席あいてたから
横の人に会釈だけして、とりあえず座った。








俺が目覚ました頃にはもう
授業なんてとっくに終わってて。



外は暗くなってた。







起きる前、
ツンってほっぺに何かが触れたから
目あけたら知らない女の人が俺のこと見てた。









こんばんは
起きました？




って。








一瞬、
やべぇんじゃね？
俺の事追っかけてた人の仲間？
とか考えた







けど



安心した。









その女の人は
俺の出席もちゃんとしてくれてて、
俺が起きるまで随分と長い間
この教室で待っててくれたみたい。








その人の第一印象は髪の短い女の人。





なんかスポーツでもやってんのかな？









歩いてて喋ったりしてて、
俺の名前も知らなかったから
ほんとに追っかけてった人じゃねんだ、
って思った。








ほんとは送って行ってあげなきゃなんないけど
今日はどうしても無理なんだ。








レッスンあって。






俺がジャニーズJr.だってこと、
Aちゃんにはまだ言えてない。







Aちゃん、このこと知ったら
どうすんのかな…。






俺から離れてく？

それとも、今までみたいに
"ジャニーズ"ってだけで寄ってくる？


それとも……


変わらず接してくれる？









俺があの授業に遅れていかなかったら
出会えてなかったんだよな。









偶然の重なり合いで、この出会いがあった。









Aちゃん、今までいた女と違うんだ。





仲良くなれねぇかな…。

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