#02 ページ4
目が覚めると私はセス様に抱えられていた。
ここは何処だろうか。
教会の様な神聖な装飾から見てここが、【財団】の本部かどこかなのだろう。
「おや、起きたかい」
『あ、えっと、』
『私、歩けます。重たいと思うし、』
「ふふっ、悪いけど降ろさないよ」
「もう少しで着くからね」
大きな扉の前に来ると、騎士みたいな人が扉を開けた。
そこには大きな机と椅子があった。会議室の様だった。
「待たせたね〜」
「この子が、【例の子供】だよ」
「でも自分では知らないみたい」
「ならば、血液検査で性質を確かめて再び連れて来なさい」
奥の大きな席の人はそう言った。
「りょ〜かい」
扉を出た後、医務室のような場所に連れて行かれた。
「【例の子供】だよ。慎重にね」
私は抱えられていた腕から降ろされた。
「じゃあ、まずはここに座ってくれる？」
優しそうな女性だった。
『はい』
「貴女、注射はした事があるかしら？」
『いいえ…』
すると女医は少し困った顔をした。
「じゃあ、セス様、抱っこしておいて貰えないかしら」
「いいよ」
セス様は私を膝の上に乗せて腕を固定した。
「何故…向かい合わせで？」
「私的にはセス様とおチビさんが同じ方向で座ってくれると嬉しいのだけど…」
「どっちでも良いならこっちでいいじゃん」
「…じゃあ、始めますね」
腕に冷たい布を当てられた。
「ちょっと痛いよ、我慢してね」
「採血だから少し長いかも…っ」
針が刺さった。
『い"っ…！』
凄く痛くて、涙が溢れた。
「もったいない」
「ﾍﾟﾛっ…」
『ひぁつ…』
「ん？どうしたの？」
「セス様…あの…」
「ほら、泣かないで」
『ッ！…んっ…んぅ…ぁ…』
「…んっ…ほら、終わったよ」
何が起きたのかわからなかった。
でも、わかることは一つ。
今、私は凄く恥ずかしい事をしたんだ。
熱が顔に集中する。
「結果は1時間後です。それではまたね、おチビさん」
『さ…よ、なら』
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作者名：不夜城 | 作成日時：2023年2月11日 21時
