7 顔合わせpart2 ページ7
あっという間に放課後の時間。
確かゲーム研究部の部室でってお兄ちゃん言ってたよね…。
用事を済ませると足早に部室の方へ向かった。
一人で歩いていると目的地のドアが見える。
急いで来たからまだ誰もいないかもしれないな…。自己紹介とか緊張するな。
なんて考え事をしながらドアに集中して近くに来るとドアノブに手をかける、と同時に誰かの手が重なる。
「おっト、ごめんネ。考え事をしていてつイ。」
「あっ…こちらこそごめんなさい。逆先くん？」
「覚えててくれたんだネ」
同時にドアノブに手を伸ばした相手は逆先くんで、なぜか彼は優しい笑顔でそう言った。
「ようこソ、ゲー研ヘ。」
入った入ったと押され部室に入る。
まだ誰もいないみたいで静かな部屋にゲーム機等がいくつか置いてある。
「えっと…逆先くんってゲーム研究部なんだね。」
「あｧ、そうだヨ。待っている間一緒にどウ？」
優しい顔をしてそう言う彼に、ふと気づく。
「逆先くん…何で私がここで待ち合わせしてるの知ってるの？」
「ン？そりゃあ知ってるヨ。なぜなラ……」
そう言うとゲームに手を伸ばしていた体はくるりと私の方に向き真っ直ぐに琥珀色の瞳が私を見つめる。
普通に隣にいた距離が何故か近く感じる。
「ボクが、今回Aちゃんが担当することになったSwitchのリーダーだからかナ♪」
キラキラしたウィンクが眩しい。
さすがアイドル…。
「そうだったんだ…え！？」
「フフッ…面白い反応をするネ。」
お兄ちゃんと同じユニットだったんだ…
えっと、お兄ちゃんの一つ下で、茜色の髪に琥珀色の瞳…逆先夏目…
じーーっと彼の顔を見る。
少し驚いた顔をした彼は、ナニ？と返す。
「逆先…夏目くん…。」
「そうだけド…。」
「あ！」
どこかで見たことあると思ったんだ。
「夏目ちゃん！！！」
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作者名：月(ルナ) | 作成日時：2022年3月11日 3時
