4 出会いpart3 ページ4
「ボクは逆先夏目。ちなみに君と違ってボクは2-Aなんダ。よろしク。」
少し微笑んだ彼は不敵に見えた。
学年やクラスまで知られてる。
プロデュース科のことよく知っているみたいだし、アイドル科の生徒だろう。
「あ……さ、逆先くんって…あの。」
「名前を聞いてやっと思い出したかナ。」
「五奇人の一人だよね!」
「エッ?」
「あれ?違った?」
「いヤ、合ってるんだけド。そうじゃなくテ……まァ、覚えてないなら良いんダ。」
彼の言っていることに違和感を覚えるも、彼はこちらに歩み寄った。
「ボクもここに用が合って来たんダ。Aちゃん、君の立っている所にネ。」
「あぁごめんなさい邪魔でしたね。どの本ですか?取りますよ。」
「いいヤ、大丈夫だヨ。ボクは本を取りに来たわけじゃないかラ、ボクの事は気にしないデ。」
「?…そうですか。」
謎めいた彼への違和感は消えないまま、探していた資料を手に取りドアの方へ向かった。
「またネ、Aちゃん。」
部屋を出る際にペコリとお辞儀をすると、ドアの隙間から楽しげに目を細めてひらひらと手を振った彼が見えたのを最後にその場を去った。
誰もいない教室。
資料を参考にしながらも企画書の一部をまとめるために、ペンを走らせる。
今日中に提出だったプリントで、椚先生に朝提出した結果、直してほしいところが何ヵ所か見つかったと昼休みに返却された。
返却が早いとすぐに直しができるのでありがたい。
返されたプリントを確認すると放課後にやれば終わるような内容であった。
ちょうど今日は、プロデュースの予定がない。
学校でならわからないことがあっても資料もあるし、先生もいる…とのことで現在教室で一人、プリントと見つめあっていた。
最後の行を書き終えると、プリントをトントンとまとめてクリップで止める。
プリントを見つめながらふとさっき出会った逆先くんの事を思い出す。
何だかどこかで会った気がするような…。
気のせいか…、と教室を出て職員室に向かった。
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作者名:月(ルナ) | 作成日時:2022年3月11日 3時