15 初めてのライブ[前日part2] ページ15
夏目くんの少し後ろをとぼとぼと歩く。
「あの…本番前なのに…ごめんなさい」
「ン？きにしないデ、君の戸惑う顔が見たかっただけサ」
少し振り返り、ニコッと笑顔が見える。
「え！じゃあ怒っては…」
「そんなことで怒ったりなんかしないヨ。それニ、Aちゃんが真剣にボクらのプロデュースをしてくれてるのは知っているしネ」
「なんだぁ…良かった」
「タダ…」
「？？」
「タダ、Aちゃんがケガするような事や傷つくような事があるなら、なるべく避けてほしいヨ」
「は、はい！…気をつけます」
「まぁ、ボク達もAちゃんを守る魔法使いになろウ。
でも最終的な運命は君次第だからネ、Aちゃん。」
いつの間にか歩幅を合わせてくれて隣にいる夏目くんは、何か不思議な光を纏うような笑みを浮かべていた。
それに見惚れ、はぁ…と曖昧な答えをすると
「例えバ今ボクが、止まらないとぶつかるよと教えてあげよウ。」
「へ？…わっ！」
その途端、横切ろうとしていた扉が開き目の前いっぱいに現れたのだ。
気づけたおかげで反射的に止まることができた。
「止まれるかどうかは、君次第だヨ。…と仮の説明をしようと思ったけド、実際に起きるとはネ」
「あ、あっぶな…」
心臓がバクバク言ってる
「あ！ちょうど来ましたね」
「Aさん！遅いな〜？」
扉が開いた部屋は目的地のレッスン室だった。
「すみません！遅れました！チェックします！」
「さァ、再開といこウ。」
さっきの夏目くんの話が気になるけど、ひとまず目の前のことだよね！よし、念入りにチェックやるぞ！！
夕暮れがすぎてからほんの2時間ほど。
「凄い！！本番衣装も着てないのに3人ともキラキラしてた！！」
「Aにそんなこと言われるなんて、頑張ったかいがあるよ」
「明日は、たくさんの人にソラ達のキラキラを届けます☆」
「ウン、Switchの名を轟かせよウ。」
コツコツ準備したかいがあったのか問題なくみんなパフォーマンスや歌も完璧。
沢山の人達に早くSwitchを見てほしい、そう思った。
「Aのおかげで問題なく成功できそうだよ…ありがとう。」
そう言っておっきなお兄ちゃんの手が私の頭を撫でる。
「ちょっト、それはボクの役目なんだけド」
「あれ？もしかして夏目くんも撫でられたかったんですか？」
「ってやめてヨ！Aの前デ！」
「師匠照れてるな〜」
「ふふ」
4人がいた教室は静かな夜を照らした
続く (更新停止中)
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作者名：月(ルナ) | 作成日時：2022年3月11日 3時
