百五十三 ページ3
「ったく、容赦ねーな」
『アンタに手加減する意味がわかりません』
「今のは完全に銀ちゃんが悪いアル」
「そうですよ、元々依頼料もらってる上にかなりの頻度でご飯まで頂いてるんですよ?これ以上集るのはみっともないです」
『子供にこんなこと言われる大人ってどーなの』
「……銀さんの心は折れた」
パタリと死んだように畳に倒れた。
それを横目にそれで?と神楽ちゃんと新八くんに向き直る。
旦那がなんか叫んでいるがそれは無視。
「皆さん、Aさんが師走家に来てることは知ってるみたいです。けど場所までは特定してないみたいで」
『…探してるってこと?それは』
「そうじゃないネ。ゴリラの意向でAの決めた道だからって探すことは禁じてるらしいアル」
『やけに詳しいね』
「山崎さんに聞いたら喋ってくれたので…」
溜息が出る。
地味な風貌を生かして監察方という適役を任されたのにどーにも口が軽い。
…よく敵方にバレないよね、真選組だって。
ある意味そこも才能か、と納得。
「でもクソサドは血眼になって探してるアル」
『なら時間の問題かもね、ここ見つけるのも』
「お前ェの頼みだ、ちゃんと手は打ってあるからすぐには見つかりゃしねーよ」
いつにも増してちゃんと仕事をしている事に驚いた。…そういえば何でも屋、万事屋さんだったんだっけ。
それをやっと実感できた気がする。
『旦那ってちゃんと何でも屋だったんですね…てっきりただのニー』
「俺のことなんだと思ってたわけ!?手貸してやってんのに酷くねェかな!?ん!?」
『…で、手打ったって何したんですか』
「無視?無視なの?」
「此方の別宅のある相模の方にいると嘘をついてもらってます」
「それにここはあの家で働いてる奴の家アル、簡単に割れるなんてことはないネ」
「みんなして銀さんを無視しないでェェエ‼」
206人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月26日 11時