百七十 ページ20
額から血を流す旦那を見て見ぬ振りしながら二人と頭を抱える。
「Aが真選組に戻れば捕まらないアル」
『それ考えてたら私ここに嫁に来てないけど』
「あ、そうだったネ」
「絶対考えてないよね?思いついたこと言ってるだけだよね?」
結局絞ったところで出てくるのはボケばかり。
いい案なんて一つも出てこない。いや出す気がないの間違いか。
「それ駄目だからなァァァア!?」
『いやどんだけ考えてもさいい方に転ぶ案なんてないのよ』
「まぁそれはそうですけど…」
どっちに転んだところで私たちが犯罪の片棒だからんまい棒だかを担いでしまうことに変わりはないんだ。
…あ、私はんまい棒よりチョコバッ●が好きです。甘いの大好き!
じゃねーや。
いっけね、また脱線しかけた。危ない危ない。
『あの男を斬らなければ私は結婚してこの家も犯罪者の一員だし、かといって斬れば私は公務員じゃないからお縄にかかるし。…どー考えてもいい事なんてないよ』
「税金泥棒のよしみとかないアルか」
『あったら犯罪者死ぬほど溢れかえってるよ』
「…そうだったら総一郎くんのおねーさんの婚約者斬ってねェもんなァ」
旦那の言葉に頷けば新八くんと神楽ちゃんは顔を暗くした。
あの時二人は現場にいなかったが後日それはどういうわけか伝わっていて、その時と今が酷似していると思っている。
そして旦那もそれは感じているみたいで。
「あん時の二の舞だけは御免被るぜ」
『だから真選組やめてきたんでしょーが』
「その所為で俺達ゃ本当に犯罪者予備軍だ」
『…ならやめますか?』
「やめねーよ、金上乗せすんだから」
『え?止めに来たんじゃなかったんですか?』
「金の為に決まってんだろ、ガキ」
『感動した私の気持ち返せ』
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月26日 11時