【ツイステ】姫君の晩餐会―Walpurgis― (ページ11)

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0-4 悲哀メモリー(3) ページ11

第三者side

ぶわりと少し強い風がふいた、

その途端。少女と青年のフードが取れた。

少年「あ」

少年はダラダラと、暑さによる汗ではなく焦りによる汗を流した。

熱砂の国において、白髪や赤目などの色の髪、目を持つものは高貴なものとされている。

つまり、目の前の少女は白銀の赤目。貴族か何かということ。そんな身分の少女に失礼な態度をとったこと。

そんなの、この少女が親に少しでもちくれば人生は終わり。

少年の頭の中には人生終了の鐘が響いていた。

”はずだった”

『別にちくりゃしないわ、気にしてないもの』

『それよりも、確かに従って生きるのもひとつの出だけれど、貴方はそこで生きて大事な事を学んだはずよ？』

『従って生きて何を得た？下を向いて何を得た？蔑まされて生きて何を得た？』

少年「え・・」

『”何一つ得なかった”ではなくて？』

少年「そ、それは・・・」

『従っていればいつか解放される。素晴らしい夢ね。でも、お前はそれを叶えるための努力をしたの？』

『あぁ、従って行動するのは努力のうちに入らないわ。ねぇ？したの？』

少年「・・・・し、して・・ない」

『努力もせずただ従い、命令された事を成すだけなんて最早人間ではないわ。人形よ。』

『お前はよく下を向くのね、なら教えてあげる。下を向いたって拾えるものはない。見えるものはない。』

『前を向いて見える景色も怖くて見れない。なら上を見ればいいじゃない。太陽はお前を笑ってるの？空はお前を馬鹿にしてるの？』

少年「そ、そんなの！わかるわけねぇじゃん！！」

『そう、わかんないからいいんでしょ？わかんないなら、怖がる必要ないじゃない？自分で変えれるんだもの。』

『前を、上を向き。立ち上がり、手を伸ばしなさい。そしていつか、その手を”私がとってあげる”。』

だだの、子供たちのお遊び程度の約束。

でも、少年には、目の前の少女がとても眩しくて、輝いていて。

その約束は本物のように思えた。

それから少年はひたすら努力を重ね、最低身分(どれい)から解放され

少年が始めた商売は大繁盛し、成功を収めた。

そして、

・

そんな少年は、

少女に会いに来たのだった。