─── ホグワーツ 校長室 ─── ページ10
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ピンク色の下品な部屋。
ほとんど全ての来客は、皆等しく似たような感想を抱くだろう。
しかし、生徒を痛めつけることしか頭にない、良くも悪くも仕事熱心な男には、部屋の善し悪しなど分かるはずもなかった。
「アンブリッジ校長」
“校長”の名に似つかわしく思えない、ピンクのガマガエルのような中年の女は、わざとらしく音を立てて机上の書類をまとめていた。
「アーガス、何事ですか？わたくしは今忙しいところですわ……罰則のことならあなたに全て任せているのだから、お好きになさってとあれ程……」
不機嫌を隠さないその様子に、みすぼらしい風貌の管理人は圧倒され、情けなく肩をすぼめた。
だが、男が嬉々としてこの部屋に来たのは、ホグワーツの校長を前に萎縮するためではない。
「奴らの溜まり場が分かったんです。連中は愚かにも、こっそり集まってクーデターを計画している……！」
いかにも忙しいと言うように、大袈裟に動いていた紙の束を持つ手が、止まった。
しかし、それも束の間だった。
「あなたは以前も同じ事を言いましたわ。その度に、確認をして───わたくし自ら赴いたこともありましたわ。」
校長は一度言葉を切ると、不快な咳払いをして、再び口を開いた。
「けれど、今まで一度たりとも『穢れた血』を取り締まれた事があったかしら。アーガス。今回こそは、確かなのね？」
男は一瞬躊躇ったが、直ぐに禿げあがった頭を何度も縦に振って見せる。
その様子を見たアンブリッジ校長は、ゆっくりと腰を上げ、ツカツカと管理人の前まで歩いて来た。
「そう。では、後で案内してくださる？」
「今すぐに……」
「今日は血の舞踏会です。わたくしも準備をしなければなりませんわ。」
それに、と畳み掛けるように校長は続ける。
「あなたがそこまで自信を持って言うんですもの。わたくし、いつもデザートは最後まで取っておきますの」
校長は、唇の端をキュッと結んで三日月形の笑みを作って見せた。
管理人の男は、これ以上意見することを許されていない。
暗黙のルールだ。
そのくらいは、白痴の男でも理解出来た。
男は不承不承とした内心を隠しきれない背中を向けて、校長室を後にした。
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その辺のポップニート(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» マイペースな更新になってしまうと思いますが、お付き合い頂けたら幸いです！ (2023年2月14日 2時) (
レス) id: 9eab2a8625 (このIDを非表示/違反報告)
その辺のポップニート(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» コメントありがとうございます。ポッと出の作品をここまで評価して頂けるなんて光栄です。私は文章を書く際に説明調になる癖があるので、情報の取捨選択に苦労したのですが、実際に推察しながら読んで頂けてるとのことで、嬉しく思います。 (2023年2月14日 2時) (レス) @page4 id: 9eab2a8625 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - とても好きです。素敵な作品を読ませていただいてありがとうございました。また、私も最近始めて西の方に行ってハリポタめちゃくちゃ感動いたしましました笑長文失礼いたしました。これからも頑張ってください。 (2023年2月14日 1時) (レス) id: abdaa73097 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - 失礼いたします。お話を拝見させていただき、高ぶる気持ちを抑えきれず、どうしてもお伝えしたくコメントさせていただきました。あまり言及されないからこそ色々考えられるような設定や、こんなに恵まれているのに苦しい夢主、ルビの振り方などとても素敵です。 (2023年2月14日 1時) (レス) @page3 id: abdaa73097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その辺のポップニート | 作成日時：2023年2月14日 1時
