黒歴史とは関わりたくない番外編【松野千冬】 (ページ9)

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9話ページ9

襲ってくる無情な感情から耐えるかのように

「え､何!? どうしちゃったのAちゃんっ､ちょ…ちょっと苦しい､かも」

気がついたら

私はヒナちゃんを際限なく抱きしめていた｡

『花垣君のこと…どうしようかと思った､なんて言葉を…掛けてあげられるかっ

私､わかんなくなって』

「え､タケミチ君が? なに?」

「おい､ヒナちゃん苦しがってんだろ!

話なら聞いてやるから一旦落ち着け!」

「お､Aちゃんようやく起きた､って

どしたの?? え､自販機行ってた間に…何この状況!?」

「タケミチ君､Aちゃんと何かあったの?

こんなに震えてるんだけど…」

「ええ! 今日は普通に話してた事はあったけど､ごめん俺何かした?」

動揺している､もう一生聞くことのできないと思ったその声が

恐ろしく鮮明に聞こえてきた私は

『!! 花垣君が!!!

ちゃんと動いて､い…生きててくれて…っ』

なりふり構わず崩れ落ちた

「なんでだよ! こいつ､さっき以上に号泣してんじゃん!?

こら､今はひっつくんじゃねぇ!! 顔から出るもん色々止まってからにしろ!!」

「タケミチ君､一旦外出てて! Aちゃん落ち着くまで来ないで!!」

『ご､ごめぇっ…ちょぉ､顔…見れなぃ､うっうぇっ』

.

「…えぇ」

▼あれよあれよと追い出された武道は

「あのぉ…もう入って良いですか?」

AちゃんのSAN値回復まで数十分かかった。

ーーーーー

ようやく落ち着いた頃には空模様もすっかり寒々しく

私が落ち着くまで皆が側にいてくれた事を視界からでも実感させられる｡

『…ごめん､びっくりだよね｡

おかしな事言ってるって自分でも思うんだけど､たまに変な夢見るんだ｡

すごくリアルで身近な人ばっかり不幸になる長い夢｡

…さっきまで見てた夢がね

私もみんなも大人になってて

朝のニュースを見てたら､花垣君が廃ビルから落ちる報道がされてて…

しかも､なんでか佐野さん家の万次郎君と一緒に』

「「え」」

『え』

…「え」とは?

▼『◯口さんちの◯トム君』って童謡あるんですよ(おそらく世代じゃないけど親世代の影響で知ってる)

なんかこの言い回しが好姫なんですよ｡なんか､こう､リズムが小気味いいって言うか｡

ツボりませんかね? 私だけでしょうかね?