世界的大スター様は元羊幹部

初対面 ページ5

どんよりと曇った日、

摺鉢街の一画にある羊の基地では
15歳くらいと思われる若者達が
忙しなく動き回っていた。


昨夜、警察が基地のひとつに押し入ったのだ
幸い仲間達はほぼ無事だが、一つ問題が起こった



羊の幹部の1人が押し入った
警察官達の前に躍り出て、話し合い
ある約束をしてしまったのだ。


中「何処の組織とも武力行為をしない事を
　 条件に仲間を解放する、だと・・・？！」


白「ああ。幹部の1人がそう警察と約束しちまったんだ」


中「何考えてんだよ。そいつはッ！」


足早に廊下を走るのは幹部の白瀬
そして羊の王中原中也である。


中「そのふざけた奴は今何処にいんだ？」

白「今、会議室に拘束中だ」


白瀬が会議室の扉を開けると
そこには羊の幹部達と構成員数人
そして問題の幹部は手足を拘束され、
口をガムテープ、目を布で覆い、床に座っていた


中「そもそも何でこいつは幹部になってんだ？」



白「構成員達の支持が大きかったんだ。
　 特に12歳以下のガキたちのな。」



中也はゆっくりと近づきガムテープ、布を
とっていく。


瞬間、中也は息を呑んだ


その女は驚くほど美しかった。
無造作で何のセットもしていないのに
妙に艶のある亜麻色の髪
こぼれ落ちそうな程大きな薄ピンクの瞳
滑らかな鼻筋、真っ白な肌
まるで一流画家が描いた理想の美女が
命を得たような美しさである


『貴方が有名な中原中也さん？』


中「ああ、そうだ。」

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