No.57 ページ13
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一本の線が真っ直ぐに通ったように立つ、Aちゃんの姿勢は、一段と凛としていて綺麗だった。
『ねぇ。
みんなが私を守ってくれてるように、私だってみんなを守りたい。
守れるくらい、強くなりたい。
みんながいなくなったら、私生きていける自信ないよ。』
自嘲気味に発せられた最後の言葉は、俺たちを笑顔にさせるには十分すぎる言葉だった。
俺とゼロは立ち上がり、Aちゃんの背中と頭に手を乗せ、松田と萩原はそれぞれ手を握った。
「…悪かった。」
「ごめんね、Aちゃん。」
素直な2人の謝罪の言葉に、満足気に微笑んだAちゃんの頬を、涙が伝った。
『死にそうになっても、私が絶対死なせないから。』
実際に、萩原と松田の命を救ったAちゃんのその言葉は、頼り甲斐のありすぎるものだった。
しっかりと頷いた松田と萩原を確認した後、Aちゃんの視線が俺とゼロを交互に射抜く。
『…零さんと諸伏さんもですよ、最近ちょっとやばいの気付いてますからね。』
そうジト目で睨みながら、相変わらず鋭く言い当てるAちゃんに、ゼロと2人顔を見合わせる。
「…Aの力、貸してもらうぞ」
半ば諦めたように、でも期待しているように、ゼロがAちゃんへ微笑んだ。
『いくらでも!』
そんなゼロの言葉に、満面の笑みで返したAちゃんに、無理はしないでね、と伝える。
けれどそんな俺の心配は全くもって必要なかったようで、無理はしない程度にするのが1番!とこれまた笑顔で言い返された。
…その笑顔の明るさと瑞々しさに、見惚れてしまう自分を受け入れよう。
俺の仲間を2人も救ってくれた、強くて優しい、Aちゃん。
俺らはとうの前から、Aちゃんが十分に強いことを知っていた。
必ず俺らの力になってくれるし、予想以上の働きをしてくれることも、当たり前のようにわかっていた。
それでも今まで、自分たちの仕事に巻き込みたくなかったのは、俺らもAちゃんがいなくなったら、本当に怖いからで。
でも、Aちゃんに辛い思いをさせるのは、同じくらいに嫌なことだから。
だから。
_____だから、俺らも絶対、守るからね。
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あすか(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年3月23日 23時) (レス) @page13 id: 6b7ef0d566 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 紅月さん» とても素敵なコメントありがとうございます!!警察学校組との絆はしっかり表現したかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです!引き続きよろしくお願いします!! (2020年8月7日 17時) (レス) id: 1fac6c4e46 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - すごく面白いです!ホワイトハッカーてやっぱかっこいいですね!親友のような強い絆で繋がる警察学校組と夢主の関係が尊い…! (2020年7月30日 23時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - FBI!!!!www (2020年7月10日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ | 作成日時:2020年7月10日 18時