何回目 ページ3
………」
その痛みは一瞬だった。
やっと名前を呼んでくれた
嬉しかった。
私はきっと笑っていたんだと思う。
でも、私が最後に見たのは、私の腹に突き刺さる太い槍と
その先端に着いたムチを持つ彼の、
切なげに笑う姿だった。
そのまま彼の胸に倒れ込む形になると、彼の鼓動が聞こえた。
一定の間隔で響いていた鼓動は徐々に弱々しくなり、最後には止まった様な気がする。
貴方に殺された回数を数えるのはもう辞めた。
凪斗に殺された後の、蘇生する場所はどうやら一定ではない。
彼が死ぬ直前だったり、はたまた1日前だったり。
数時間前だったりと極端に違う。
モノクマは、火事の換気の時以外私の前には現れない。
きっと、1人でクリアしろ。
そう言いたいのだろう。
今回は彼の死ぬおよそ3時間前。
それまでに、彼を救う方法を見つけ出さなければならない。
……そう、言っていられる時までは良かった。
「Aよぉ、どうしたんじゃあ…」
「どうしてもテメーは爆弾探しには協力しないってのか？」
弐大は眉を顰め、九頭龍がため息混じりに言う。
「…時間の無駄だから」
花火だと知っている今そんな事に時間を使う余裕などないことに気づいた。
そんな態度をとっていたからだろう…
私の周りには、誰もいなくなった。
文字通り、誰も、だ。
その代わり、どうしちゃったの、なんていわれることが多くなった。
何も変わらない世界で、私だけが延々と変わり続けている。
私の舞台、とはよく言ったものだ。
ふとレストランの御手洗の鏡を見ると、自分の目の下に、薄くクマが出来ているのがわかる。
世界が遡ったとしても、私は寝られる状態ではなかった。
Aの体は、限界に近かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆?(?ｖ?｡)(プロフ) - ええ〜！これからどうなるんだろう…皆と会えるのかな…？読んでて本当に楽しくて一気読みしてしまいました。更新待ってます！ (2023年1月6日 1時) (
レス) @page25 id: 55f21e1ec6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 凄く好きです！更新楽しみにしています。 (2022年6月10日 2時) (レス) id: db5b18e24f (このIDを非表示/違反報告)
枢戸(プロフ) - 粉雪さん» 暫く時間が空いてしまいましたがこれからまた毎日少しずつ更新していければなと思います。今日もありがとうございます。 (2021年5月7日 1時) (レス) id: 8715b54326 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 更新お疲れ様です！そこで助けに入るのはまじでイケメンすぎる…次回の更新も待ってます (2021年5月7日 0時) (レス) id: 1b838ad70c (このIDを非表示/違反報告)
枢戸(プロフ) - らさん» Twitterにまで興味を持って頂けて嬉しかったです。ご縁があればTwitterで繋がれればと思います。 (2021年4月25日 9時) (レス) id: 8715b54326 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：枢戸 | 作成日時：2020年12月24日 0時
