4話 恋と呼ぶには、未熟な気持ち ページ5
「えっ！？隣の部屋が、Aさんなんですか！？」
「何か不満？」
オットーの言葉を不満と受け取ったAは、少しむっとした表情で圧をかける。
「い、いえ。不満とかそういうのではなくてですね……」
「じゃあ何」
「いえ、なんと言いますか。僕の部屋と、Aさんの部屋との格差がすごすぎて……」
オットーの部屋が、大きめの押し入れ程度のサイズということもあるが、それを加味したとしても、Aの部屋はかなり大きい。
オットーの部屋が、20個は入る大きさだ。
「私はロズワール様のお気に入りだからね」
「さらっと嫌味なこと言いますねえ！？」
「事実だもん」
ふふん、と得意げに話すAは、とてもいきいきとしていて、初めて年相応の少女に見えた。
(ん……？年相応って、そもそも僕、Aさんの年齢知りませんね……)
「Aさんって、今何歳なんですか？僕は20歳なんですが」
「女性に年齢を聞くなんて、非常識。……何歳に、見える？」
(めんどくさい質問来たなあ……。まあ、14歳ぐらいでしょうかね)
こんなことをじっくり考えたあと。
「14歳ぐらいですかねえ。小柄で童顔ですし、それく」
「18歳」
オットーの予想を最後まで聞かず、Aは冷たい声で言った。
「へ？？？」
驚きのあまり、間抜けな声が漏れ出たオットーをAは、キッと睨む。
「……夕飯の支度してくる。できたら呼びに行く」
そう言って、Aは厨房のある方向へ体を向けてしまった。
「そっ、その、すみません……」
必死に言葉を探しているのか、オットーはAがニヤッと笑っているのに気付かない。
(こんなことで、怒らないのに。オットー、かわいい。でもなんだろう。ちょっと、悲しい……。な
んで……？)
「オットー、好きな食べ物、ある？」
Aは少し離れたところから、大きな声で問う。
「えっ！？好きな、食べ物、ですか……。辛いものや、苦いものが好きですかねえ」
「そっ。じゃあ、ぜーったい、辛いものや苦いものはオットーに出してあげないから！」
Aの可憐な笑顔に、オットーは刹那、目を奪われた。反論も忘れて。
「酷いな！？」
一拍遅れて突っ込むオットー。だが、心中は荒れていた。
(Aさんが18歳ってわかった途端、急に意識してしまうんですが！？)
恋と呼ぶには、未熟な気持ち。
それを大事にしたいと思えた。お互いが。
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
