3話 100メートル左にはトイレ、50センチ右にはメイド ページ4
「部屋に案内してくれるのは良いんですが、ノータイムで脅しとか早すぎません！？もうちょっとこう、配慮をですねえ……」
「はいはい、オットーうるさい。部屋こっちだから、ちゃんと行き方覚えて」
オットーの話も聞かず、Aは、すたすたと長い廊下を歩いていく。
そして、Aは、他の部屋に比べて、ひときわ質素な扉の前で、足を止めた。
「ここが今日からオットーの部屋だよ。置いてあるものは自由に使っていいらしい。あと、トイレはこの廊下をずーっとまっすぐ行った、左手にある」
ずーっと、という見るからに不穏な単語に、オットーは一瞬顔をひきつらせた。
「……トイレ、遠いんですか？」
「ここからまっすぐ、100メートルぐらい。走ればすぐ」
「十分遠いんですが！？てか、別に文句言うつもりはないんですが、なんか僕の部屋、他のに比べてしょぼくありません？ナツキさんですら、もっと豪華な部屋だったんですが……」
それに対して、Aは少し、悪戯な笑みを浮かべなから言った。
「ああ、私がロズワール様にお願いした。あんなヤツ、このクローゼットで十分です、って」
「はああ！？アンタ何やってくれてるんですか！クローゼットで生活とか、頭おかしいでしょう！！僕に何か恨みでもあるんですか！？」
んー、とAは考える素振りを見せたあと。
「私の平穏な日常を邪魔されたから、かな。あっ、でも安心して。クローゼットの中はちゃんと片付けてある」
「そういう問題じゃないんだよなあ」
Aは、ぶつぶつとぼやいているオットーを尻目に、
(オットーがいると、平常心でいられない。なんでだろう……)
そんなことを思いながら、ふと思いついたように付け足した。
隣の豪華な扉を指しながら。
「あっ、あと、わからないことがあったら来て。隣にいるから」
また一つ、二人の物理的な距離が近づいた。
4話 恋と呼ぶには、未熟な気持ち→←2話 タメ口、そして、呼び捨て
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
