13話 愛され猫の発魔期は突然に〜パックの発魔期 1〜 ページ14
※発魔期とは？
マナが体内に大量にある状態のこと
体内に大量のマナを貯めることのできる人にしか起こらない(常人には起こりえない)
このエピソードは、リゼロOVA 「Memory Snow」が元ネタです。
ーーーーーーーーーー
朝の空気は独特だ。
夜の冷たい空気の余韻が残る、ひんやりとした心地よさ。
それが頬をなぞり、屋敷の人間は、毎日自然と目を覚ます。
――ラムを除いて。
ただ、昨晩は少し冷え込んだのか、頬に触れる空気がいつもより冷たい。
そんなことを思いながら、別室ながらもほぼ同時に起き上がったオットーとAは、またほぼ同
時に叫び声を上げる。
だって。
だって、屋敷中が氷漬けになっていたのだから。
◇◇◇
薪が沢山くべられた暖炉の火は、この寒さの中ではいささか頼りない。
「あ、み、みんなおはよー……今日はちょっと寒いね？」
朝食にやってきたエミリア。
この状況になってもごまかそうとする彼女に、一周回って一同は感心する。
「また発魔期なのかしら？」
エミリアの下手くそなごまかしは無視して、ベアアトリスは自身が慕うパックに尋ねる。
「うん、そうみたいだね。みんなにはしばらく迷惑かけるけど、前にスバルが考えたみたいに、雪まつりでもすればすぐに終わるよ」
確かに村の子供達も喜んでくれるだろうが……。
「なんかそれだと二番煎じ感あんだよなあ」
新しいアイデアを考えているのか、うんうんと唸るスバルを尻目に、オットーはAにそっと耳
打ちをした。
「あのー、前にもこんなことあったんですか？」
「んー、まあ割と最近」
その言葉にオットーも苦笑い。
この屋敷、ほんとにどうなってるんですか……なんてぼやいているオットーだが、なんだかんだ楽し
そうで何より、なんてAがにやけていると、スバルにアイデアが浮かんだようで。
「遊園地だ！！」
「「「「「「「ゆーえんち？」」」」」」」
一斉にスバルに注目する一同は、聞き慣れない単語に首をかしげる。
「ああ。まあ見ればわかるって！さ、エミリアたんとパックは準備するぜ！」
朝食の残りを一気にかきこんで、庭へと駆け出していくスバルは、まるで幼子のようだった。
「あっ、待ってよスバル！」
それに続いてエミリアも急ぐ。
「あ、スバル！待つかしら！ベティーも一緒に手伝うのよ！」
ベアトリスまでいなくなってしまい、すっかりスカスカになった食卓は、なんだかとても寂しく見え
た。
14話 ベッドはひとつ、人数はふたり〜パックの発魔期 2〜→←12話 メイド様はお怒りのようです オットーside
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
