04話 手ってなんかえっちですね ページ4
「……」
「……」
あ、ダメ、やっぱり話続けるとか無理無理。
そもそも私、中高ぼっち極めてた部類の人だもん。
さっさと飲み物詰めてゴミ片付けてかーえろ。
「うああっ」
早く帰ろうと思って急ごうとしたら、勢い余って台車につまずいてしまった。
受け身も取れず、結構盛大に転んでしまう。
飲み物のダンボールも思いっ切り落としちゃったし、なんか幸先悪いなぁ……。
「あの、この手は？」
「あぁ？どう見ても掴まれって事だろ」
「あ、ああそういう……。じゃあ遠慮なく」
大男さんが転んだ人を助けるような優しい心の持ち主だったとは、非常に意外だ。(失礼)
人を見た目で判断するのも良くないですな。
手ぇ差し出された時は、殴られでもするのかと思ったわ。
でも、大男さんの手は分厚くて固くて、ゴツゴツしてて大きかった。
男の人の手って感じ。
なんかえっちだった。(？)
「ありがとうございます」
「別に。それより落としてた箱、中身潰れてるんじゃねぇ？」
「えっっ！？」
慌ててダンボール周辺を確認すると、思ったよりも無惨な状態と化していた。
潰れたダンボールと中身、そして周りにも散らばるペットボトル(汚れあり)。
「……お兄さん、コレ、売り物になると思いますか？」
「俺なら買わねぇな」
「ですよね……」
自分で全部買い取るしか無いか、と肩を落としていると、
不意に大男さんが小銭を取り出して言った。
「丁度良いから何本か買い取ってやるよ」
「へ？」
「俺今授業サボって出てきてんだが、後で怒られたくはねぇ。
ジュースの一本二本持ってきゃ、アイツらも怒んねぇだろ、多分」
この教師、授業サボってこんな所をほっつき歩いてたのか。
見た感じだらしない印象はあったけど、第一印象はやっぱり捨てたもんじゃない。
だが、何本か買い取ってくれるというのは朗報だ。
「ありがとうございます、助かります」
「ん」
言葉は少ないが、意外と優しい人だ。
もう今は適齢期は過ぎているだろうけど、若い頃はさぞモテていただろう。
……それにしても、この大男、いつまでここに居座る気だ。
授業サボって出てきてるんだよね！？
「……そろそろ行かなくて良いんですか？」
「お前、さっきコケた時怪我しただろ。消毒とかしてやるからこっち来い」
「でも私まだ仕事が……」
「すぐ終わる」
強引に手を引かれて、校舎の中へと入っていく。
思ったよりも面倒見の良い大男さんが、ちょっといいなと思ったのは気のせいだろうか。
05話 可哀想に、若白髪ですか→←03話 ムキムキの大男さんに出会いました（皆さんご存知あのキャラです）
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あくる(プロフ) - 三井葵さん» コメントありがとうございます！分かります分かります！甚爾くんにちょっと乱暴に教えられたいですハァハァ (1月23日 22時) (
レス) id: 88d43718ec (このIDを非表示/違反報告)
三井葵(プロフ) - パパ黒が教師！?なんか想像しただけでも🤤 (1月23日 19時) (レス) id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2024年1月23日 2時
