02話 自販機補充員になりました ページ2
「佐々木さん、貴方、窓には向いてないんじゃないかしら」
「……はい？」
七月某日、とある窓の拠点にて、私は先輩に無慈悲な言葉を食らっていた。
窓って、呪いを確認したら報告するだけですよね？
ええ、分かってますとも。
で、それのどこに向き不向きが存在するんですか先輩！？
「貴方は注意力散漫で仕事にも慣れていないから、よく呪霊を見落としがちでしょ。
この前貴方の担当地区に派遣された術師が報告に無かった呪霊と遭遇して、大怪我をしたのよ。
幸いまだ亡くなった術師は居ないけれど、このまま貴方に仕事を任せれば、
今度こそ死者が出るかもしれないわ」
「……ぐうの音も出ません」
私のせいで術師に大怪我をさせてしまっていたとは。
本当に申し訳ない、マジで本当に。
やっぱりここは命が懸かった真剣な現場である以上、私は責任取ってクビになるんだろうな。
“視える”ことでなにかの役に立てるならと思って始めたこの仕事だったけど、
先輩の言う通り、私には向いていなかったみたいだ。
「あと本当に悪いんだけど、佐々木さんは今日で解雇だそうよ」
「……はい」
あー、やっぱり。
まあ仕方ないよね、私が悪いんだし。
「それでね、代わりと言っては何だけど、
丁度高専の自販機補充の人手が足りなくて困ってるそうなの。
どう？次の仕事は補充員にしてみたら？」
「そうですね、ちょっと……」
あんなしんどいしか無さそうな仕事、絶対やりたくない。
いくら元上司のお願いといえど、ここは丁重にお断りしたいところだ。
「でも、高専のことを知ってて手が空いてるのって、佐々木さんくらいしか居ないのよ。
普通の業者に頼むわけにもいかないし、凄く困ってるみたいなの」
「うっ」
先輩の言葉に、心がどんどん傾いていくのが分かる。
学生たちは、このクソ暑い中頑張って訓練しているだろうに、
いざジュースを買おうとすると、目の前には光り輝く売り切れランプ……。
そんなん可哀想過ぎるでしょうが！！
よし、引き受けよう。(あっさり)
だって子どもたちが可愛そうですもの。
「分かりました、やります」
「ほんと！？早速報告しておくわね！ありがとう佐々木さん！」
「いえ、私もすぐに仕事が見つかって助かりました」
お礼も言われたし、悪い気はしない。
よし、それじゃあこれから頑張りますか、自販機補充！
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あくる(プロフ) - 三井葵さん» コメントありがとうございます！分かります分かります！甚爾くんにちょっと乱暴に教えられたいですハァハァ (1月23日 22時) (
レス) id: 88d43718ec (このIDを非表示/違反報告)
三井葵(プロフ) - パパ黒が教師！?なんか想像しただけでも🤤 (1月23日 19時) (レス) id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2024年1月23日 2時
