【文スト】包帯のお兄さん

すてきぼうしくん_1 ページ16

中原side



ポートマフィアの拠点前、中原中也はそこで見つけた少女を見て足を止めた




「おい、お前こんなとこで何してんだよ、迷子か？」



『道にまよっただけだよ』



「それを迷子ッてんだよ」



『そうともいうかも』





そうとしか言わねぇよ阿呆、と餓鬼相手に大人気なく正論を突きつけるにはいかないとでかけた言葉を抑える





「んで、どこから来たんだよ」



『にほん』



「ここも日本なんだよなァ」



『おじさんがしらないとおもって』



「おぉ〜、喧嘩売ってんな手前」




おじさんじゃねぇよ、俺はまだ15だ、ぶっ飛ばすぞ、そんな言葉をなんとかギリギリのところで再び抑えた


目の前にいる相手が太宰だったら確実に拳が顔面にめり込んでいたことだろう




「？おい、さっきからお前何してんだよ」



『だんごむしかんさつしてる』



「この状況でか！？お前やることが中々独特だな」




一体なんなんだこの餓鬼は、どっかの組織の回しもんか？それにしても此奴じゃ幼すぎるし阿呆すぎる

それに全体的に見て服装も一般人と変わったところはねぇしなんとなく違和感はねぇ

だとしたら、なんかの異能力者か？
一応念の為触れておくか




「おい餓鬼、ちょっとこっちこい」



『ちょっと今いそがしいからむり、しずかにしてて』




どこに忙しい要素があるんだよ、そう思いながら此奴に歩みを寄せる

そして其奴の方に触れるか触れないかのところでもう嫌という程聞き慣れた憎たらしい男の声が耳に届いた



「げっ、中也・・・・・！Aちゃんとこんなとこで何してんのさ」



其奴は此方に近づいてきたかと思えば、餓鬼に俺が触れていた手を雑に払い除けて餓鬼をゆっくり抱えた




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