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「でも付き合うとなると、やっぱり大変なんですかね?」



りょうくんが前のめりになりながら、聞いてきた。



「拓也さん、有名ですもんね〜」

「そんなことはないよ。」


そんな話をしていても自分の気持ちはずっと彼女に向いたままだった。聞いてか聞かずか彼女は控えめにいつもの柚子ハイボールを飲んでいる。



「でも拓也さんのファンいっぱいいるでしょ?もし付き合ってるってなったら一波乱起きそうな…」

「りょうくん、お口にチャック。」


りょうくんとカケルさんのやり取りを聞きつつ、彼女の顔が一瞬困ったような顔をしたのに気付いてしまった。


なんだかんだ彼女は、自分の仕事について興味がないのか、気を遣ってか、あまり聞いてくることはなかった。


「まあそこまでシビアではないけどね。」
「付き合うハードルは高くないんすか?」
「ハードルが低いか高いかは俺自身の問題かな。」


もしかしたら、この特殊な職業が邪魔をして、彼女自身好きだとか付き合いたいとか言えないのもあるのかもしれない。

……そう考えると、まあ仕方ない。
詰めが甘かったのは自分だ。


ふ、と笑みが溢れてしまう。


もう完全に付き合ってる気になって頻繁に連絡入れたり今日も家まで迎えに行ったりしていたのだけれど。自分だけ舞い上がっていたのか。


ハハハ。


彼女には一回詰めないとダメかなこれは。

あんなにキスしたのにね。


ちらりと彼女を見たけれど、どこか上の空。


……彼女にも考える時間が必要かな。





その日は今までのようにタクシーで家の前まで送って「おやすみ。」と優しく頭をぽんと撫でるだけにして家に帰した。彼女がマンションの中に入るまでタクシーの中から見届ける。


付き合ってないという認識ならばあまり手は出したくない。


ちゅーはお預けだな。

やっぱりいつも彼女に振り回されていることに気付いて、また苦笑いしてしまうのだった。





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にくまん(プロフ) - eriiiさん» 楽しみにしてくださっててとても嬉しいです。しばらく彼視点を更新していきますのでごゆるりとお楽しみくださいませ。 (11月25日 13時) (レス) @page25 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - この展開!!本編でめちゃくちゃ気になってました!彼視点楽しみです🥰 (11月24日 19時) (レス) @page23 id: 8d69bf7036 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にくまん | 作成日時:2023年11月2日 20時

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