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幾つかある行きつけの中で、昔からの知り合いがやってるバーへ彼女を連れて行った。

彼女を見たマスターは「なになにどういうこと!?」と興奮気味だ。それはそうだ。八年くらい知った仲だけど、女の子を連れてきたことは全くなかった。


作ってもらったウイスキーを嗜み、たまにカランと音をさせる。


「この人、八年くらい前から知ってるけど、女の子連れてるの見たことないよ。」

「やめてぇ」

「いやだってそうでしょ?もうびっくりだよ俺。大丈夫?唆されてない?」


なんてマスターに言われて、彼女は「唆されて…は、いるかも。」と呟いたもんだから、おいおい。と腕を優しく叩いて突っ込んでしまった。


それを見たマスターがめちゃくちゃニヤニヤしている。


うるせぇな。
わかってるからニヤニヤすんな。

と目で語りかけたら、ハイハイとでも言うように微笑まれてそれとなくフェードアウトしていった。





彼女は何杯かおまかせでカクテルを作ってもらっていた。

「とにかく作ってくれるカクテルが美味しい。」
「ここはね、とにかく出してくれるウイスキーが美味しい。」

なんて言い二人で笑い合う。


「江口さん、女の子ここに連れてきたら一発ですよ…」
「ええ?」
「一発で落とせますよ…」


心臓がドクンと音を立てる。
その意味を分かって言ってるのか彼女は。
それは一発で落ちたと申告して……

「ってくらい素敵なお店です。ここ。」

そう言って彼女はふわりと微笑む。


お店ね、お店に落ちるのね、はいはい。

…………。


「なかなかこういうクラシックな雰囲気のバーって、一人じゃ入りにくくて。とても大人な気がしてしまって。」
「それはわかる。」
「素敵なお店教えてもらっちゃったなー。」

役得。と言って彼女はカクテルに口をつけた。



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にくまん(プロフ) - eriiiさん» 楽しみにしてくださっててとても嬉しいです。しばらく彼視点を更新していきますのでごゆるりとお楽しみくださいませ。 (11月25日 13時) (レス) @page25 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - この展開!!本編でめちゃくちゃ気になってました!彼視点楽しみです🥰 (11月24日 19時) (レス) @page23 id: 8d69bf7036 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にくまん | 作成日時:2023年11月2日 20時

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