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「でも今思うと、最初からなんか軽かったのかも…」
「へぇー」
「すぐ可愛い可愛いって言うとか…他の子にも言ってたんじゃない?」


………おっと。
すぐ可愛いって言ったな俺。
そうか。軽い認定されてるのか。

何となく自分もまたハイボールを煽る。


「えっ、オレすぐ可愛いって言っちゃうよ〜?」なんてりょうくんが言っている。

りょうちゃんの可愛いは挨拶だから仕方ないんじゃない?と彼女は表情を変えずに喋る。

本気の子にはなかなか可愛いって言えないタイプ?と彼女に聞かれたりょうくんは、え、そ、そうかも…なんて照れてみせた。


「手もなかなか繋げないんだよー。」
「その方がいいよ本気っぽい。」
「だからなかなか気付いてくれないんだよ…ね?」

なんて言って隣に座っている子は目を丸くしてちょっと驚いていた。



………。

手繋いだな俺。
完全軽い男認定確定か。

別にいいけど、なんか癪だった。


すぐ顔が赤くなったりむくれたりする彼女が可愛くて揶揄うのが楽しかっただけ。
声かけられたりすぐぶつかりそうになったり、ちょっと親心みたいなものが湧いただけ。


別に彼女のこと軽い気持ちで見ていたわけではない。



興味ないことは話すら聞いてないし覚えてない癖に、いつの間にか距離を縮めてくる彼女に少しどきりとしたり。
勘違いしないと言ってた癖に、すぐ照れる彼女にこちらが勘違いさせられそうになったり。


ーーただほんの少し、振り向いて欲しくなっただけ。









何回目かのトイレから戻ってくると、残されていた二人はとても楽しそうな雰囲気だった。彼女は近くで一人、ぼーっと次に頼むであろう飲み物を見ていた。
そういえば、そろそろ撤収の時間が迫っている。


「もうラスト飲み物じゃない?」

と彼女に声をかける。

パッと顔を上げた彼女は、こちらを見て、ふふふ、と笑った。



可愛い。

可愛いなこの子。
こんな可愛かったっけ。



心臓がドクン、と音を立てた。

生暖かい風が髪をなびく。ねっとりとしたその風は、ぬるぬると自分の身体を侵蝕する。
この時、もう後戻りはできないかもしれないと、気付いてしまった自分がいた。



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にくまん(プロフ) - eriiiさん» 楽しみにしてくださっててとても嬉しいです。しばらく彼視点を更新していきますのでごゆるりとお楽しみくださいませ。 (11月25日 13時) (レス) @page25 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - この展開!!本編でめちゃくちゃ気になってました!彼視点楽しみです🥰 (11月24日 19時) (レス) @page23 id: 8d69bf7036 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にくまん | 作成日時:2023年11月2日 20時

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