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野菜や肉を焼きながら、片手に持ったビールを時たまグビっと煽る。やはり暑い日のビールは最高だ。キンキンにグラスが冷えてたらもっと良かった。柔らかな茜色の夕焼けもいつの間にか沈み落ちて、夏の夜空が辺り一面を覆い尽くす。

ここのバーベキュー場は飲み放題プランなんかも付いていて、最近の若者はなんて楽なんだと。自分はあたかももう若者ではないと決めつけて、側にいる若者の恋を他人事のように応援する。



「次、何飲みますか?」

今日の彼女はよく自分を見ていてくれた。お酒が少なくなると先ほどのように尋ねて、飲み物を持ってきてくれた。はい、と渡してくれたビールよりも、彼女の腕に何故か婀娜っぽさを感じてしまった。
今日はメインの二人に気を遣っているのか、お喋りも控えめだ。


あらかた焼くものは焼き終わり、席に座りひと息ついていると、トイレに行くのだろうか、彼女がスッと席を立った。続けて自分も何となく席を立ち、彼女の後ろを着いて歩く。

ふっとこちらを見て、ん?という顔をしていたが、彼女は何も言わなかった。


お互いに用を済ませ、トイレの前で彼女を待っていると、ハンカチで手を拭きながら彼女が出てきた。

「ここのトイレ、すごく綺麗です。」
「あはは、そうだね。」
「最近はバーベキューも綺麗なところで、しかもソファ席もあるなんて。都内だからですかね?」
「かもね。」

さっきまで控えめに喋っていた彼女は、話したくてうずうずしていたのかせきを切ったように話し出した。

「あと夜景が綺麗すぎる。」
「あははは。」
「花火とかめちゃくちゃ見えそうですねここ。」

そう言ってこっちを振り向いた彼女は目の前にいた人とぶつかりそうになっていた。ぐっと彼女の腕を引き寄せる。

「こら。前見て。」
「ご、ごめんなさい…」

お父さんか俺は。

顔がぽっと赤くなった彼女を見て、またからかいたくなる。

「ねえ顔赤いよ?」
「……っ」

そういえばこの間、ちゅーちゅー言ってた時、からかいすぎてその後ずっと口聞いてくれなかったな。急に思い出してフッと口から笑みがこぼれた。



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にくまん(プロフ) - eriiiさん» 楽しみにしてくださっててとても嬉しいです。しばらく彼視点を更新していきますのでごゆるりとお楽しみくださいませ。 (11月25日 13時) (レス) @page25 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - この展開!!本編でめちゃくちゃ気になってました!彼視点楽しみです🥰 (11月24日 19時) (レス) @page23 id: 8d69bf7036 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にくまん | 作成日時:2023年11月2日 20時

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