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「おまたせ。」
車から顔を出した彼を見て、驚きを隠せない私は、目をぱちくりさせて固まってしまった。
「フッ、何その顔。」
「いや、まさか、車？」
「乗って。」
そう言って助手席を指差される。私はぐるりと車の後ろを周り、助手席側の扉を開けた。
「お、お邪魔します…」
「どうぞ。」
おそるおそる助手席に座る。彼の車に乗った瞬間、ふわりといい匂いがした。いつの間にやら美容院に行けたらしく、髪の毛が根本から綺麗に染められていた。うなじから続く刈り上げに少しどきりとする。
「Aちゃん、外で待ってたの？」
「すぐ着くって言うから…」
「寒かったでしょ。」
そう言って彼は、私の手をぎゅっと握った。
「やっぱり冷たい。」
「……。」
何度も手を握られてきたけど。こうやって車の中で握られると、彼の手がとても大きいことに改めて気付く。温かい手にすっぽり覆われて、顔が熱くなった。
「すぐ照れる。」
図星をつかれて彼をむっと睨んだ。それを見て、あはは、と笑いながら、ようやく彼は車を発車させた。
暗い夜道を信号にあまり引っ掛かることもなく走る。ボワーッと効いた暖房が暖かい。
年が明けたとはいえ、思ったよりも道は空いていた。年越しからずっとみんな家でテレビでも見ているのかな。いつもよりは窓から覗く灯りが多いように感じた。
チラッと彼の横顔を見てみると、彼は遠くを見ながらハンドルを回していた。スーツを着ていると三割り増しに見えるとよく言うが、運転姿こそ三割り増しに見える。
なんか…ズルい。
「なあに」
「えっ」
「視線を感じる」
「………。かっこいいなと思って。」
「……… 。」
珍しく素直に感想を述べてみた。
「うるさいな。」
そう言いながらも、彼の穏やかな顔が見えて、私の方がドキッとしてしまった。
「それで、どこへ向かってるんですか？」
「んー？」
赤信号で止まり、こちらをちらりと見下ろした。
「Aちゃんを閉じ込められるところ。」
「ふえっっ」
驚いて素っ頓狂な声が出てしまった。
「フフッ。」
「ちょっと、いつもみたいに冗談って言ってくださいよ。」
「アハハハ。」
目尻を下げて可笑しそうに笑う彼。
パッと信号機が青を照らし、ゆっくりと車を発進させた。
「……ちょっと、見たいものがあってさ。」
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プシラブ(プロフ) - にくまんさん» すみません！出来ました…！ご丁寧にありがとうございます…🙇♀️ (11月1日 2時) (
レス) id: 1211b73cd8 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん(プロフ) - プシラブさん» コメントありがとうございます。secretですがR18設定をしているので、プシラブさんご自身がR18コンテンツフィルタをNG設定にされているかもしれません。マイページ→設定より下部付近に18コンテンツ設定がありますのでご確認くださいませ⭐︎ (11月1日 1時) (レス) id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
プシラブ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます…！続編楽しみに待ってます…！！あとすみません…。secretが見当たらず…。まだ公開されていないというだけでしょうか…。もしそうでしたら本当に急かしている様に感じてしまうかもしれませんが、決してそういったことでないので…。 (11月1日 0時) (レス) @page43 id: 1211b73cd8 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん(プロフ) - かなこさん» ありがとうございます。嬉しいお言葉にぶるぶる震えております。近いうちに更新予定ですのでお楽しみに。 (10月31日 20時) (レス) @page45 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - サイドストーリーも続編も楽しみに待ってます🥰 (10月30日 20時) (レス) @page45 id: cd18282d70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にくまん | 作成日時：2023年10月23日 0時
