第57話 ページ9
太「………ん…っ。」
悪魔が力を使い切ったからか、
俺は元の姿に戻っていた。
…でも、目の前には、
体の至る所に傷や痣が出来て、
ピクリともしない裕太が横たわっていた。
城は吹き飛んでいて、
俺と裕太の間には、少しの風が吹くだけ。
太「……裕太……?」
心では、すごく怯えている自分がいる。
裕太は、俺が殺してしまったんじゃないか。
…いや、俺が殺したんだ。
言いたくもない言葉を口にし続けて。
傷つけたくもない貴方を攻撃し続けて。
…愛してやまない貴方を、
この手で、
殺してしまったんだと、
後悔してもしきれない…。
ゆっくりと、貴方に近付いた。
でも、触れようとしたが、
すぐに手を引っ込めた。
背中は、俺よりも大きな、
闇の紋章が刻み込まれていたから。
一瞬、ためらってしまった。
太「……裕太…。」
背中の紋章に触れる。
…すると。
むくっと起き上がった裕太。
顔には感情がなく。
目にも光が入っていない。
…その姿は、壊れた人形のようで。
ゆっくりと振り返る。
裕「…太輔、様…。」
口を開く。
その声には、心がない。
裕「……ふふっ。」
目は笑ってないが、口角が上がる。
太「…裕太……?」
透き通るような頬に、触れようとした。
でも、バチッと弾かれた。
…それは、王家同士が触れないための
魔法ではない。
裕太が、俺の手を、
裕太の手で、弾き返したからだ。
…裕太が、光の王家の者では、
無くなってしまったのか…?
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作者名:たんまもり姫 x他1人 | 作成日時:2015年10月27日 19時