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第94話 ページ46
太輔様が帰ってしまった。
最後は何も言わずに…。
たった一言『また今度』って言ってほしかった。
その一言で、また会えるって信じられるから。
その一言で、次の約束になるから。
信じてる。
だけど、長年の寂しさが邪魔をして、完全に信じられない。
太輔様にも、闇の世界を守るっていう役割があるのは分かってる。
自分も、この世界を守らないといけない。
だけど、太輔様がいなくなると温もりも愛情も欠けていく。
『また今度』
この一言があればその今度くるまで楽しみになったかもしれない。
こんなことしか考えられない自分が嫌だ。
なんて、わがままで欲張りなんだろう。
もう、やめよう。
太輔様に頼るのはやめよう。
自分の勝手な寂しさのせいで迷惑に決まってる。
僕は…王子にふさわしくならないと。
自分の寂しさなんて、住人には関係ない。
自分の寂しさを…
自分の辛い過去も…
全てを捨てて…
光の世界を守ることだけに集中しよう。
もう、二度と闇に飲み込まれないように…
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作者名:たんまもり姫 x他1人 | 作成日時:2015年10月27日 19時