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第53話 ページ5

太「………俺は…、何者だ……。」

まだ自分の身に起きた状況を、

飲み込めていない…。

奥底から沸き上がる闇は、

次第に、俺の体を包み込んでいく…。

戻り方なんて、知らない。

このまま、闇に飲み込まれてしまうのか…?

太「……!」

しばらくぼーっとしていたら、

裕太の身体に異変が起きていた…。

…背中に、…闇の……紋章…?

何で…、裕太に…。

…ドクンッ!!

太「ぅあ……っ!!」

いきなり心臓が、

引きちぎれるほど跳ね上がった。

ドクンッ、ドクンッ!!と、

まるで、全身に闇が巡るような……。

太「……。」

顔面から力が無くなってくる俺。

感情さえ、表せられなくなってきた…。

心臓だけは、爆発するんじゃないかと

言うぐらい、跳ね上がっている。

太「………死…。」

勝手につぶやいた俺。

太「…光なんか……、いらない…。」

勝手に、口が動いていく。

太「…殺す。」

勝手に体が動き始めた。

裕太の背中に向けて、手をかざし、

北山の時よりも大きな電撃の玉を出し始めた。

ビリビリと強い稲妻をまとって、

玉をさらに大きくさせる。

心とは裏腹に、玉は大きくなるだけで…。

太「…死ね。光なんか…、この世にいらない。

……まずは、お前からだ。」

止めろ……っ!

逃げてくれっ、頼む……っ!!

淡々と思いもしない言葉を吐き捨てる俺。

今すぐにでも体は、裕太を殺しそうで…。

太「……死ね。」

俺は…、いや、悪魔は。

裕太に向かって、電撃の玉を繰り出していた。

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作者名:たんまもり姫 x他1人 | 作成日時:2015年10月27日 19時

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