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第85話 ページ37

突然、裕太がフラフラし始めた。

咳もしてるし、さっき口元を抑えていて。

裕太の手のひらには、血かついていた。

太「…裕太、落ち着け…っ、な…?」

今なら、落ち着くか…?

裕「けほけほ…っ。けほけほ…っ。

ふふっ、落ち着いてるよ…っ?けほ…っ。

…まず…、太輔様を…、お人形さんに…っ!」

はぁはぁと息を切らしながら、

俺に向けて、手をかざす。

裕「ぁぁぁぁぁあッ!!」

喉が裂けるような声で、

俺に向けて真っ黒な霧を出してきて、

俺の身体をまとわりつき始めた。

身体が、鉛のように重くなる。

太「止めろッ!」

俺も力を使って、風を起こす。

霧はすぐに晴れて、身体も元に戻った。

裕「絶対…っ!けほけほ…っ、

太輔様をぉぉ…っ!お人形さんにぃ…っ!」

今度は霧をナイフに変えて、

俺に向けてびゅんびゅん飛ばしてきた。

太「止めろッ!目を覚ませ!裕太ッ!!」

自分の周りにバリアを張り、

裕太のすぐ傍まで走っていく。

裕「ぅぁぁあッ!」

裕太が俺の首に手を伸ばしてきた。

…そこまで、俺を消したいか?

残念だけど、それは無理だよ?

俺は、その手をかわし、

代わりにぎゅっと手を掴んだ。

裕「離せッ!離せェェェ…ッ!」

太「…離さねぇよ。」

暴れる裕太を落ち着かせるため、抱き締める。

太「…俺が傍にいる。ずっと一人ぼっち

だったんなら、俺がその分傍にいる…っ。

…だから…、お願い…っ。」

…戻って。…裕太…。

あの日の、笑顔に…。

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作者名:たんまもり姫 x他1人 | 作成日時:2015年10月27日 19時

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