Dark and Light World ～SECOND～ (ページ13)

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第６１話ページ13

しばらくその場にたたずんでいた。

冷や汗は、頬を滑り落ちては、

また額から出てくる。

このまま、裕太が光の者ではなくなったら…？

いつか俺みたいに暴走し始めて、

光の世界を滅亡させようとしないか…？

ぐるぐると不安な感情が頭を回る。

北山を殺す、と言ってこの世界に来た。

そして、その言葉通りに実行した。

北山は死んだ。

でも、

裕太にも、手をかけてしまった。

手が、ふるふると震えてくる。

こんなに不安になったのは、始めてだ。

誰か…っ、この不安を止めてくれ…っ。

「……太輔様…ッ…。」

………誰かが、俺の名前を呼ぶ。

まさか…、裕太…っ？

俺は一瞬で笑みが戻り、

勢い良く、扉を開く。

ガチャッと大きな音を立てて。

太「…裕……っ。」

渉「太輔様！こちらにいたんですね！」

ニ「探していたんです！

さぁ、今すぐ城に帰りましょう！」

太「……なんだ、お前らか……。」

期待して、損した。

また一瞬で、笑みが無くなる。

むしろ、酷くなったと思う。

渉「なんだとはなんですか！？

今、城に太輔様の偽物がいるんです！」

太「…偽者…？」

ニ「そうです！普段の太輔様ではなく、

やたらニヤニヤしていたり、

城の中をはしゃぎ回ったり…。」

…俺の力で造った奴か。

太「…分かった、すぐ戻るから。

でも、その前に…。」

…裕太に、もう一度だけ、会いたい…。