Dark and Light World

第３５話 ページ36

渉「太輔様？何をするおつもりで…っ！」

ニ「太輔様がこの世界から一歩でも

外に出てしまったら、この世界が、

崩壊してしまいますっ！」

二人は俺の気持ちを悟ったのか、

必死で俺を止めてきた。

太「…二人には言ってなかったね。」

渉「……え？」

俺の目が、青色に変わっていく。

太「……ごめんね、俺、光の世界に

行ってくるよ。」

渉「お待ちくださいっ！なぜ！

光の世界にそこまでこだわるのですか！」

…光の王子が好きだから。

なんて、口が裂けても言えない。

太「…北山を、殺すためだよ。」

ゴォォォォと真っ黒なオーラをまとい始める。

太「大丈夫。心配しないで。

この世界も、崩壊させないから。」

俺にしか使えない力。

…それは、造り出す力。

人、物、建物、世界まで造り出せる。

俺自身をもう一人造り出せば、

この世界も崩壊しない。

太「すぐ、戻るから。」

部屋から出て、すぐに力を集中させる。

この力を使うときは、かなり時間がかかる。

「……太輔、太輔…。」

トントンと肩を叩かれ、目を開ける。

そこには、もう一人の俺が。

太「ここは任せた。よろしく頼むな。」

もう一人の俺がこくんっと頷いた。

北山…。

太「今から、余裕ぶっこいて待ってろよ…。」

口角を上げ、シュンッとその場から消えた。

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