彼ピッピ ページ5
「フヘヘ、Aちゃんに突き落とされて人生を終えるなら別にいいや〜」
「爽やかな笑顔でくそキメェこと言わないで吐くから」
「いいよ。」
「やっぱり無理です。」
ちゃっかりソファーに座ってニコニコ笑っているスケベくん。
早く帰れよ。
親が帰ってくるから。
「でもさー、不思議だよね。Aちゃんちから俺の家、徒歩5分だよ？なんで中学別だったんだろ。」
「うーん、その近くに校区の赤外線レーザーがあるからでしょ」
「クウゥッ、まさにロミオとジュリエットだ……」
「うん。…あ、ロミオじゃなくて、スケベとジュリエットね？」
真剣に答えたことを後悔した。
そもそも、なんで初めて合った男女が仲良く家で話し合ってるんだ？
早く帰れよ!(2回目)
無神経にも程がある。
「ねえ、なんとも思わないの？この状況で」
「幸せを感じてる」
「やかましい」
ドラマチックな言葉にイライラまではいかないが、ムカムカした。((
くそっ、こうなったら、必殺！
「もう、私もうすぐイケメンで高身長で世界三大美男の彼氏が来るの。繊細でか弱い男の子だから嫉妬で爆破しちゃうでしょ」
「フン！Aちゃんに近寄る男なんて全員抹.殺NOWだから。Aは俺のものだ。」
「私彼氏いないし。そんで、あんたのもんでもない。」
リア充は爆破するまでだ。
なぜかむふむふ笑ってる天宮くん。気持ち悪い。
「あ〜眠たぁ。肩かしてぇー？」
「………きいぃぃぃっっんも！」
相変わらず気持ち悪い。ひたすら気持ち悪い。ただただ気持ち悪い。
爽やかな笑顔でくそキメェ。
でも、眠たいことは確かなようで、少しばかりウトウトしている。
「じゃあベットかしてぇー」
もう気持ち悪いを通り越してしまった天宮くん。
呆れて大きな溜息をついた。
私の楽しい高校生活をどうしてこんな風にするんだこいつは。
「なあに？そのため息はいいよってこと？」
ニヤァッといやらしい表情で擦りついてきた。
「やかましいわこのドスケベ」
「もぉぉ。スケベじゃないってば。Aちゃん溺愛症候群だって。」
「うるさいスケベ。突き落とすよ。」
どうやら、私達の会話は「スケベ」がないと進まないようだ。
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作者名：にゃんこぱす | 作成日時：2020年7月31日 20時
