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出会い2 ページ2

次の日も、少年は公園にいた。

笑顔で笑いかける少年を無視して、ブランコに座った。

すると、不満そうに私の横のブランコに腰を下ろした。

つんつんと肩をつつかれ、思わず振り向く。

少年は、手を伸ばしており、食パンを渡してくれた。

流石にこれを無視はできない。

少し口角を上げ、会釈をとる。

ニッコリと笑って頬をかいた。


……なんか、可愛い。


そう思った自分が恥ずかしくて、頬を赤らめた。

少年はリュックをあさり、もう一つ何かを差し出した。

白い…石ころのようなものが2つ。

首を傾げると、少年が立ち上がり、私の耳に触れた。


『ひっ……!』


思わず声が出た。

くすぐったい。

くすぐられているのだろうか…?

しばらく経ち、少年が戻って行った。


「聞こえる?ぼくの声……」


渋々と声を出した少年。

…き、聞こえる。

あーっと自分で声を出した。


『……これが…音?』


少年と比べ、発音もデタラメで、声の出し方もままならない。

それが可笑しいのか、少年は吹き出した。


「ふふっ。いい声だね」


『……え、そう…ですか?』


こんなときは、敬語の方がいいだろう。

…と思ったが、少年は普通に話しかけてくる。

まあ、いいかと思い、私も普通に喋った。


『えと……名前…なんて言うの?』


まずは初歩的なところを。

そう思い、いきなり聞いてみた。


「うーん…。まふ…でいいよ」


…とは言っているが、急に呼び捨てはどうだろうと思い、「まふくん」と呼ぶことにした。















それから一週間。

自分なりに良い仲にはなってきていると思う。

あの「石ころのようなもの」をつけてもらってから、彼を敵ではないと認識できた。

そして、その後、まふくんが私の名前を付けてくれた。

それが『A』だ。

私は、その名が大好きだ。

……だって、まふくんが付けてくれたから。


「Aちゃん、りんごほしい?」


『りんご?食べたい!』


紅い木の実をかごいっぱいに詰めて、私に見せてくれた。

甘い香りがして、安心したのか、グルルルル…とお腹の音が響いた。


『……あっ』


まふくんが、痛々しい視線を私に送る


「ふふふっ。そんなにお腹空いてたの?ぼくの食パン食べてもいいのに」


ふわっと笑い、私の頭を撫でた。

パッと顔が熱くなって、視線を反らす。

視線の先には紅い「りんご」。

それを手に取り、かじりついた。



そこから私達の物語が始まった。

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設定タグ:まふまふ , ノンタイトル , 二次創作   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:にゃんこぱす | 作成日時:2020年7月29日 10時

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