短編小説。

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目の前で笑う彼は
私が想像していたより凄く無邪気な人で



『片付け、手伝いますっ』


藤『あ、いいよ』


『そっちの方が早く終わりますし
先生に見つかられず帰れますから』






冷めた奴って、あの時の太輔は思っただろうな〜。







帰りにお礼って言って
飲み物を奢ってくれて、


他愛ない話をしながら
家にゆっくりと帰ったのを覚えてる。









不思議と、初めて話すのに
緊張とかぎこちなさとか全然なくて

なんか居心地がよかった。





話しやすいな、って
菜々に話してないことまでべらべら話しちゃって

あの時の私は、自分でもびっくりした。









「まさかな…

こんな藤ヶ谷先輩と付き合えるなんて。」





藤「先輩とか、その呼び方懐かしい(笑)」





「付き合ってからも先輩呼びやめてって
凄い嫌がってたよね(笑)」





藤「当たり前じゃん！
恋人同士なのになんか壁あるみたいで嫌だもん。」









私と太輔が付き合うのに、
時間はそんなにかからなかった。







テニスコートで話した日から、
結構学校でもすれ違うのが多くなって


いつの間にかお昼一緒に食べたり
テニス付き合わされたり(笑)





もちろん、周りの視線は怖くて仕方なかったけど
それを太輔は気にしないでいいよって
心配する私の前に立ってよく笑わせてくれたのを覚えてる。









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