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北「70点か。

頑張ったじゃん。凄いよA!」









やっぱ自分に勝つことはできなくて、




精一杯あの光景を忘れようと
何度も何度も呪文のように言い聞かせたけど

すべてが邪魔をして・・・







「ごめんなさい」







泣きそうだった。






毎回、私のために先生は遅くまで付き合ってくれたのに。




本当情けない。









北「んで?

言いたい事とは」





「え、」







オレンジの光が先生を差し込んで

微笑む姿を優しく照らし出す。









「でも、75点以上じゃ…


北「そこまで俺は鬼じゃない。
5点ぐらい変わんねぇよ(笑)」







はい、どうぞ。って


聞く準備に入ったのか
わざとらしく背筋を伸ばして私が言うのを待った。









「えっと・・・・・・


あの、」









北「なんだよ(笑)」








「頭……撫でてください。」




北「え?」





「……」




北「そんなんでいいの?」








「はい、」









本当は、好きって言うつもりだった。





言わないと後悔しそうだし、
今みたいな青春なんてたった一度きりだし。









でも・・・


あの日。





先生を見たとき、


私なんかの一言で困らせたくなかった。







好きって言うのは簡単だけど、
それを先生が受け止める時どういう思いで胸にしまうのか



誰を思って何を思って・・・。







そう考えると、


先生には幸せになってほしいから。









コツ、コツ


って、一歩。二歩。





私に近付き
先生の手が頭に乗っかった。









北「よし・・・よし、、」







「……っ、」








頑張って、涙我慢して。





握ってる拳に力を入れながら
ありがとうございます、って噛みしめた思いを先生に伝えた。









北「これでよかった?」




「はい、」




北「そっか、」








「じゃあ・・・帰りますね。」




北「気をつけてな。」







「失礼します。」









今日も土砂降りの雨で傘を持ってくるのを忘れた。



















黒の大きい傘。




最低ってわかってる。







でもこうでもしないとすっきりしない。








北山先生がいつも持っているその傘を掴み
私はこっそり差して帰った。









「ばか。」









FIN.

3年です。(ひろくん編)→←・



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涼風(プロフ) - ともさん» こちらの作品からでしたら大丈夫ですよ('')ゞ皆さんからのリクエストを順番にお答えして更新しているので少し遅くなってしまうかもしれませんが…! (2018年1月23日 23時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 新しく小説作るのは可能ですか? (2018年1月23日 23時) (レス) id: 7b359c6e4c (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - ともさん» こんばんは♪ありがとうございます(*^^*)!はい!是非是非!!! (2018年1月23日 23時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんばんは!いつも更新楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2018年1月23日 23時) (レス) id: 7b359c6e4c (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - mokaさん» 名案だと思います!私の作品で満足していただけるか不安ですが頑張ってみます!!!はい!是非(*^^*) (2018年1月6日 14時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼風 | 作成日時:2017年12月31日 18時

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