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伍拾漆頁─潜入任務 9─ ページ19

外から風に乗って微かに聞こえてくる最期の叫び。

見るといつの間にか中也の姿が無かった。




「ここまで派手にやって善いんですか?きっと何人か逃げられてますよ」




横から訊ねる太宰の声。

廊下で彼を暴れさせているのは君だろう、とAは頭の隅で呟き落とした。




『問題無し。フルールが建物を丸ごと囲ってるの。上からも逃げられない』

「それが彼の能力ですか」

『そう。だから仮に森に逃げるような臆病者がいても、今頃入口で丸焦げになってるよ。今施せる中で一番苦しむ死に方だ。あの子の炎は特殊だからね』




異能で生み出された異能生命体は驚異的な身体能力、又は特異な力を持っている場合が多い。

秀、優、良、可、不可で分けるとするならば、フルールは“優”に分類されることだろう。

身体能力が高く、意思疎通もでき、打撃でのダメージは致命傷ですら数秒後には回復する。

そしてそれに加えて炎を操る能力。


そんな異能生命体を生み出した能力者とは何者なのか。

その人物の行方は特務課であっても一部の人間しか知らない機密情報だった。




「それにしても凄いですね。名前も顔も割れていなかった主犯を見つけるだなんて。どうして判ったのですか」

『んー、そういう能力だから』

「...なるほど」




遠回しに詮索するなと伝えてくる彼女に太宰は大人しく身を引いた。

Aが珍しいなと内心で感嘆する。

何かあったのだろうなと思いつつ、彼女もそれを問いただすことはなかった。

何となく、その理由が頭に浮かんでいたから。




『鈴奈、生存者確認しながら中也捕まえてきて。早く帰って寝たい』

「えっ!Aと添い寝だって!?判った、すぐに終わらせてくるー!」




二十米走かと思うほどの走りで大広間を出ていく鈴奈。

幸せな解釈をする彼女の背をAは何も云わずただ見届ける。

そしてそのまま彼女は後ろに問いかけた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 過去編   
作品ジャンル:アニメ
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煉華(プロフ) - あきさん» あきさん、ありがとうございます!久しぶりすぎてどうかなと思ったのですが、アニメ放送開始したからか見てくださる人が多くて安心しました。頑張ります(^^*) (2023年1月27日 21時) (レス) id: 4710ee5a2a (このIDを非表示/違反報告)
あき - 続編おめでとうございます!ちょうど先週辺りから読み始めたのでタイミングが良かったです笑これからも頑張ってください。 (2023年1月26日 21時) (レス) id: 3fb64841ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煉華 | 作成日時:2023年1月26日 20時

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