10射 ページ12
妹尾・白菊・花沢が着替え終わるのを待って4人で弓道場へ入ると、いかにもガラの悪そうな部員が湊に突っかかっていたが、Aはその人物が自分の知っている人物だと分かると二人の間に滑り込んだ。
「はいはい。相変わらず清純頑固なカッちゃんは健在か！」
「お前、チビA！」
Aが顔をヒクつかせた所で顧問の森岡先生が入ってきた。
「さて、弓道部が全員揃ったところで、腰の調子が悪いわしの代わりにコーチをしてくれる人を紹介しよう。さぁ、入って。」
森岡先生の声に反応して道場に入ってきたのは、朝、Aを玄関で見送りしてくれた人物だった。
「「マサさん！」」
「マサ兄！」
Aと湊、海斗の声が重なった。
雅貴はAに向かって笑みを投げ掛けた。
「藤原ー！」
桐先高校弓道部の男子更衣室に怒号が鳴った。
着替え終わった愁は男子更衣室の扉に手をかけ肩で息をしている女生徒を見た。
「如月先輩…」
愁はため息混じりに女生徒の名前を呼んだ。
「Aが！Aが入部どころか進級してなかったってどういうこと!?何でAがいないのよ！」
如月と呼ばれた女生徒はズカズカと更衣室に入り、愁の肩を持ちガクガクと揺さぶった。
「なんでAがいないの！何日待っても来ないから職員室できいたら、他の学校に進学したって！私、連れ戻してくるからどこの学校か教えて！あんたなら知ってんでしょ！」
愁は耳がキンキンするのを我慢して如月の腕を振りほどいた。
「僕だって、Aがどこに行ったのか教えてもらっていません。」
「はぁ？あんたが知らないわけないじゃない！」
「本当に知らないんです！」
声を荒げる愁を物珍しそうに着替え中の男子部員は二人を観察していた。
「如月さん。ここは男子更衣室です。顧問が私達を呼んでますのでいきますよ。」
如月の手によって開け放たれた扉から男子部長の本村宏樹が如月の襟を掴みずりずりと引きずっていく。
「本村！私はまだ話があるの！」
「はい。行きますよ。」
如月の声がフェードアウトしていく。
周りの男子生徒は着替えを再開する。
愁は自分の用具を保管してある用具室へと向かった。
「愁君！」
用具室に入ると後ろから声をかけられた。
愁が振り返ると中学の時から部活が一緒の女子がいた。名前を思い出そうとするが愁の記憶に名前はなかった。
「八坂さん、外部受験したのね。それは、愁君との婚約を解消したって本当なの？」
愁は表情を変えずに女生徒を見た。
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ミラ(プロフ) - とても素敵な作品でした！続きが気になります！！無理せず作者さんのペースで頑張って下さいね(*^^*)楽しみにお待ちしてます♡ (2022年8月26日 3時) (
レス) @page25 id: 7385d704d3 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 更新頑張ってください。応援しています。とても大好きで楽しく読ませてもらっています。 (2019年11月24日 2時) (レス) id: d1cd54c5d7 (このIDを非表示/違反報告)
桜花院 千桜(プロフ) - お大事にしてください！本当にMAXに辛い時はパソコンやスマホ等の画面が見れませんよね…早く治るように祈っています。 (2019年1月21日 9時) (レス) id: a0e7a7bf7a (このIDを非表示/違反報告)
狐花 - コメント失礼します。とても面白くてお気に入りの小説で、楽しく読ませてもらっています。これからのお話がどう進んでいくのかとても楽しみです。無理のないよう、更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2018年12月17日 16時) (レス) id: f05b151338 (このIDを非表示/違反報告)
コサメユキ(プロフ) - 終夜さん» ご指摘ありがとうございます。一応、中盤からマサ湊要素が出てくる予定でしたが、出てくるまで外しておきます。 (2018年12月9日 13時) (レス) id: e3d25c6c83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コサメユキ | 作成日時：2018年12月3日 22時
