小さなお願い【ybhk短編】

Love Your Life【リアル設定】 ページ8

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みんなで歌おうと言い出したのは、意外なことにいのーだった。

俺とひかるが結婚したい、とメンバーに相談した時に一番反対したのがいのーだったから、二次会の酔いが回ったとしても、こんなことを言うとは思っていなかった。

｢コレ歌おうぜ〜｣

カラオケにいのーが曲を打ち込み、画面に曲のタイトルが表れる。
アコギメインのイントロ。

Love Your Life

思い通りいかない人生でも、愛すべき人生。

そんな曲だ。

隣に座ったひかるは酔いに頬っぺたを少し赤くして、ニコニコしている。





ひかるが笑っているなら、それで満足なんだ。

そう言ってメンバーに頭を下げた俺に、
｢結婚するって言っても、日本じゃそんなの認められていないじゃん？ただやぶが自己満足したいだけだろ。ひかるを本当に幸せに出来るのかよ｣
いのーに指摘に、俺は｢出来るよ｣と短く答えた。

｢俺はひかるを幸せに出来る。だって、ひかるが俺を幸せにしてくれるからさ｣
｢……俺の幸せはお前の幸せってことかよ。バカみたいな論理だな。お前の人生とひかるの人生は別々だぞ｣
｢そうだよ。別々だけど、俺らの人生はやっぱりどこか重なってるんだ｣

何度も悩んでぶつかり合い、離れようとした時もあった。
それでもやっぱり俺とひかるは惹かれあい、互いの人生を愛してしまっている。

いのーは｢ふーん｣と鼻先で応え、それから｢ひかるを泣かしたらブッ飛ばす｣と言い捨てて部屋を出ていったんだ。



ふわふわしたビニール製のサメだかイルカだか良くわからん形のフロートに乗り、いのーが熱唱している。

みんな酔っぱらっていて、わぁわぁ喋りながら歌うから、音程はずれるし歌詞も間違える。

でも、楽しいよ。
隣でひかるが笑っているから。
俺はひかるの人生を愛してる。


Love Your Life







*配信を見て妄想したお話でした

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