きらめく▼獣人シリーズ�� ページ20
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獣人設定
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湖の上に張り出した岩の上に、まっすぐに立つヒカルがいた。
高い鼻を空に向け、風の匂いを嗅いでいる。
余計な匂いが混ざらない、朝一番の新鮮な風から、ヒカルは天気を読むのだ。
湖面は顔を覗かせはじめた朝日に薄く染まり、アイツの赤い毛並みを繊細に輝かせていた。
黙って近寄ると、
「…ヤブ、今日の夕方から冷たい雨が降るぞ。チビたちには寒さが堪えるだろうから、ねぐらを考えてやらねぇとな」
と、ヒカルは振り返ってニコリと笑い、白い犬歯がきらめいた。
ヒカルは天気読みを仕事にしている。
天気は狩りの方法や、ねぐらを決めるうえで大事な情報だから、群れにとってヒカルの存在は特別だ。
そう、ヒカルは出自からして特別だ。
先代の天気読みのオババ様が、どこからか子供のヒカルを拾ってきて、手塩にかけて育て上げたのだ。
変わり者のオババ様に手を引かれ、おどおどと上目遣いで群れの
元来、群れの生まれでない余所者は、その一生を下位カーストで過ごすのが掟だ。
長の息子である俺と口を利ける身分ではないのに、父はなぜか「こいつになわばりを教えてやれ」と笑って言った。
今から思えば、長の跡取り息子として敬意を払われてはいたものの、ひとりぼっちだった幼い俺にフラットに付き合える友達を作ってやりたかったのだろう。
何を見ても何を聞いても「すごいねー」と感嘆の声を上げるヒカルが可愛くて、俺は意気揚々と縄張りのあちこちを見せてやり、この湖にも連れて来た。
クンクンと湖面の匂いを嗅ぎ、森から吹く風の匂いを嗅いだヒカルは「もうすぐ雨が降るよ。でもすぐに止むから雨宿りしよ？ね？」ときらめく小さな白い犬歯を見せた。
「雨？こんなに晴れてるのに？」
仰いだ空は雲一つない。
「だって雨の匂いがするもん」
そう言われて、俺も鼻を空に向けて風を嗅ぐが、そんな気配は感じられない。
その時、サァッと強い風が吹いてたちまち空が曇ると、柔らかな雨が俺の鼻先を濡らした。
「すげぇ、ヒカル…ほんとに降ってきた!! なぁ、今日からヒカルは俺の天気読みになれよ」
そう言ってやると、ヒカルは「へへへ」とはにかみ、それから「うん、おれ、ヤブの天気読みになるよ」と頷いた。
その幼い約束通り、ヒカルはずっとそばにいて、俺の天気を読んでくれている。
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しろくま(プロフ) - べすさん» べす様、ひょえ〜勿体ないお褒めの言葉にうち震えております(;´∀｀)リアルのお二人がますます仲睦まじい様子で、妄想も負けずにラブラブさせたいと思っています。ベす様のお話もワクワクしながら読ませていただいていまーす。コメントありがとうございました (2020年4月14日 23時) (
レス) id: 8dcb6e2f50 (このIDを非表示/違反報告)
べす(プロフ) - 完結おめでとうございます。しろくま様の味わいのあるお話は本当に“珠玉”という言葉がぴったりで心惹かれるものばかりでした。これからも何度となくお邪魔して読ませていただきます。また、先日のお優しい返信にとてもホッと致しました（涙） (2020年4月14日 17時) (レス) id: d251bf862e (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ちちちさん» ちちち様〜、こんな時こそ脳内妄想で「もっとアドレナリン」です！自己生産しかない(笑)健康一番、オタ活二番で長丁場を乗り切りましょう(^o^)v (2020年4月12日 21時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - しろくまさま、最後のお話にきゅーっときて、私も妄想頑張ろうと思いました!こんな時だからこそ妄想で自由に羽ばたいてもいいんですよね！いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2020年4月10日 22時) (レス) id: b5788e234f (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様〜ありがとうございます。獣人シリーズは長編ネタだったかもしれん…とちょっと書ききれなかったネタに後悔してます←無計画。でも幸せな家族の形で終わりにできて満足です。そしてワタクシ、「はっぴーばれんたいん！！」をメチャクチャ待ってます…(///∇///) (2020年4月8日 12時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
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