Damage

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side yuya




何これ、全然意味わかんない。

全く興味も湧かないし。



教室の壁一面に資料媒体。

この辺りの地区の地図に点々と印がつけられ、そこからラインが伸びて遺跡の写真が貼られてる。


教室の真ん中にはジオラマ模型。




そして…いた。




怪訝そうな顔してこっちを見る、さっきのあいつ。









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…口には出さなかったけど、これは来る人少ないでしょ…。


余程こーゆーのに興味がある奴限定って感じ。

騒がしい文化祭でここだけ異空間だ。



屋台が並ぶ校庭や体育館、楽しそうな催し物してる本校舎からの声が普通に聞こえてくるくらい、ここは静まり返ってる。




さっきから、いかにもこーゆーのが好きそうな男子生徒が俺に張り付き、熱心に説明してくれてるけど…全く話が入ってこない。



それより気になるのは、あいつ。




教室の入り口で椅子に腰かけ、ずっと本を読んでる。

こっちに混ざる気は全く無さそうだ。





ひとしきり訳の分かんない説明を受け、それなりに興味があるふりして「へー。」とか「ほー。」とか頷いて教室を一周。


ようやく入り口まで戻って来た。





慧「…ありがとうございました。これ、どうぞ。」



俺が出て行くとなって、初めて顔を上げた。

机に並べられた小さな埴輪のレプリカを俺に差し出し、頭を下げる。



「…あはっ…何これ。」


慧「何って…埴輪。」


「マジ？これ、どうやって作ったの？」


慧「どうやってって…石膏だよ。」





不格好な埴輪。

しかも何故かカラフルに色付けされてて妙に可愛い。




「サンキュー！」



素直に嬉しかった。




慧「は…マジか。」





だけど作った本人は理解できないって顔してる。




…綺麗な顔だな。

呆れたように笑った口元、細めた目。



もっと話したいって思ったのに…。






慧「…鳴ってるよ。」


「あー…。」





ポケットからスマホの呼び出し音。


そうだ、すっかり忘れてた。




友達に場所取り頼んでそのままだった。









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