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side kei





「明日は…俺がちゃんと翠の事、見送るから…安心して、高木。」



どのタイミングで言おうか迷ってた。

明日は編入試験。


見送りは無理だ。




そんな事、高木本人だって分かってるって思ってたのに…。





雄也「え?何言ってんの?俺、明日の葬式も出る…。」


「無理に決まってんじゃん!…バカかよ…明日は試験だろ。」



雄也「試験なんて…もう、どうでもいいし。」





こんな事、言われるって思ってなかったみたいな顔。

驚いた後は完全に不貞腐れた目で俺を見てきた。





「どうでもいいって、何。」


雄也「…明日が最後なんだよ!翠に会えるのは!試験なんか…。」






高木が言ってる事は理解できる。


明日が最後。



もう、翠とは会えなくなる…。




でも…。








「…だったら…何で…。」


雄也「伊野尾君…?」





何かが、プチンと音を立てて切れた。





「だったら何で!翠の事、ちゃんと見てやんなかったんだよっ!今になってそんな事言うなら…っ!」




しばらく、こんな大声出した事なかった。




驚く高木の服をつかみ上げ、床に突き倒す。

片手だからバランスが取れるはずもなく、こんな弱っちい俺に力負け。


床に倒れた高木に馬乗りになり、責める言葉を浴びせた。






「お前が大事にしてたら、翠だって…しばらくお前に会えなくても待てたんだよ!なのにお前がっ…。」



こんな事、言ったって仕方ない。

そもそも、俺に言える権利はないはず。



だって俺は、翠を追い込んだ共犯者だ。




でも、止まらない。





気づくと、高木の喉元に手が伸びていた。






雄也「…っ!!うっ…ぐ…ううっ…。」









.








.








雄也「…ゴホッ………何…してんだよっ…早く…。」





こんなに苦しそうにしてんのに、抵抗しない高木。


更には力が抜けた俺の手に、右手を添えた。








雄也「いいよ、殺して。」





出来るわけない、そんな事。








「…うっ…ううっ…。」





高木の首から手を放し、両手で目を覆って泣いた。









.

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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時

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