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side yuya
振り向くと、伊野尾君が慌てて手を降ろしたのが見えた。
慧「じゃあ…帰る。」
「うん。ありがとう、伊野尾君。」
そっか…帰らなきゃだよな。
ケガした俺を送ってくれただけ。
そんな事分かってるけど…。
床に脱ぎ捨てたボロボロの服を足でよけ、ベッドの上にあった部屋着に袖を通し、厚手のベンチコートを羽織った。
慧「…何してんの?」
「え?何って、見送り。」
慧「ホント、バカじゃないの?俺が何のためにここまで送って来たと思ってんの?今度は高木が俺を送ってったら、また俺が高木を送ってって…って、いつまでも終わらないじゃん。」
「あ…そっか。そーだね〜…。でも、外、暗いよ?」
慧「知ってるし。」
バカだねー…ってブツブツ言いながら部屋を出て行く伊野尾君の後を付いて行く。
別にいいよ、バカバカ言われても。
心配だもん。
「じゃあさ、自転車使って。駅に置いてくれてたらいいから。」
慧「さんきゅ。」
「あー…やっぱ、付いて行こうかな。」
慧「いいから、もう!」
結局、商店街を抜けるとこまで一緒に行って、その後自転車で帰ってもらうって事で話が付いた。
.
申し訳程度の灯りが点いた商店街、自転車を押す伊野尾君の隣を歩く。
さっきまで全然痛くなかったのに、時間が経つほどにジワジワと痛みを感じるようになった体。
なるべく普通に歩いてたんだけど、やっぱり伊野尾君は気付いてしまった。
慧「…大丈夫?」
「全然。ちょっと、転んだだけだし。」
苦しい言い訳かも。
伊野尾君の親には2人して階段から転げ落ちたって説明してる。
それを伊野尾君は黙って聞いてたけど…。
慧「ねえ。本当に階段から落ちたの?」
「…。」
慧「…翠が、何かしたんじゃないの?」
自転車を押すのを止め、立ち止まり
少し先に進んだ俺の背中に向かって話しかけてくる。
「…。」
言おうか、やめておこうか。
迷いに迷って、口を開いた。
「ごめん。俺…好きな子がいるんだよ。」
慧「…。」
ピクリと伊野尾君の肩が動く。
その後じっと俺を見据えて、次の言葉を待ってるみたいだ。
「その事、翠が気付いて…ふざけた感じだったけど、探り入れてきてさ。俺、ちゃんと答えられなかった。」
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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時