Damage

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side kei




電車に乗るのを見届け、駅から出た。





家へと歩く俺の後ろから、タタタッと駆けてくる足音が近づいてきて…




翠「慧っ！」


「うっわ！ビックリするだろっ！」




翠がいきなり俺の真横に滑り込むように体当たりしてきた。



…あれ？


一瞬、変な臭いしたけど…。



タバコ？









翠「ゴメンゴメン！ね、今日はご馳走だったでしょ？」


「まあね。お前、友達放置すんなよ。困ってただろ、あの子。」


翠「あはは。可愛いでしょ、由愛。」




気のせいだったのかな。


翠のペースに巻き込まれ、
さっきの子…由愛の話になってしまった。





翠「大人しいけど、しっかりしてんの。あの衣装だってどんどんアイデア出してくれて…。」


「ふーん…。」



確かに一見大人しそう。

大人しいってゆーか、きちんとしてそうってのが正解？


母さんも、やんちゃな翠を育てて来たから、あーゆー違うタイプの女の子が可愛いみたいだ。




「お前が帰ってこないから、緊張してたよ。皿洗いまでしてくれようとしてたから、母さんが止めてた。」


翠「もー…分かった分かった。帰ったら電話して謝っとくから！」




説教兄貴がうるさいらしい。

俺を追い越し、すぐそこに見えて来た家までダッシュ。



…あ、まただ。



巻き起こった風に乗せられ、またあのタバコの臭い。






「翠。」


翠「何？」




門扉に手をかけた翠が振り返る。





「…お前、タバコ…。」


翠「吸ってない！」




きっぱり否定。


だけどやっぱり、臭うんだ。







「だったらお前…タバコ吸う奴と一緒にいたの？」


翠「雄也といた。」




あ…あいつか…。


タバコ吸って、埴輪持って帰ったヤツ。








翠「雄也と海に行ってた。」




それだけ言うと、俺を残して家へと入ってった。









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