君の気持を聞かせてよ3☆～ars～ (ページ21)

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＃115 震えてる彼女ページ21

ーside satoshiー

智「Aちゃん！？」

声がするほうに駆け寄った

するとそこにはセットの陰に隠れるように座り込んでる…Aちゃん

斉藤「お、大野さん！？なんでここに…」

智「…たまたま…だけど？…あんたは何してんの」

雰囲気でわかった

Aちゃんが震えてるのが視界に入って、何があったのか

何が起きようとしてるのかがわかった

斉藤「お、俺はただ荷物運ぶの手伝ってただけで…し、失礼します！」

そそくさと俺の目の前をさっと走り去っていくのを確認すると、俺はAちゃんの元へと駆け寄った

智「Aちゃん！」

「っ…」

智「どしたの？何があった？なんかされた？大丈夫？」

「うっ…」

唸るように…Aちゃんが体を震わせて泣き出すから…

俺はAちゃんの肩をそっと抱き寄せた

「お…のさっ」

智「大丈夫！もう大丈夫だから！」

「うぅぅ…う…」

智「だいじょぶ…だいじょぶ…だいじょぶ…」

Aちゃんの肩を摩って…Aちゃんにそう声をかけながら傍に居続けた

「なんでっ…」

智「…」

「なんでいっつも…」

智「…」

ただ震えてた体が、嗚咽をし始めたことで今度は上下し始めた

中々落ち着かないその体を、俺は今度は包み込むようにして…座りながら抱きしめていた

なんで…なんだろうな？

いっつも…？

いっつもこんなことが起きてんの？

あぁ…だから…男が苦手なんだ