恋愛テクニシャン【黄】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,849 hit

恋愛テクニック2 ページ2

顔を上げればものすごく整った顔立ちのイケメンさん

黄色に近いサラサラな茶髪を風に揺らして

上は黒いチェックのシャツにダボッとした淡い黄色のニットを

下は暗めカラーのジーンズにおしゃれな革ベルト

イケメンでクドくないおしゃれをした彼は

オレンジのような黄色のような澄んだ瞳を真っ直ぐに此方へ向けてくる

…絶対モテるタイプだ

現に名前も知らぬ彼は周囲の視線を独り占めしている

『はい、そうですが何か？』

やば、感じ悪かったかも…

モデルやっててもここまで綺麗な男の人、私初めて見たから驚き過ぎて素っ気ない返事になってしまった

…次から気を付けよう

と、脳内で反省

る「あ、えと…僕はるぅとと言います。僕も音楽関係の仕事をしているのでつい声をかけてしまいました。…迷惑、でしたか？だとしたらすみません」ペコリ(お辞儀

うわぁすっごい良い人

『何だか感じ悪く返してしまってすみませんでした。驚いてしまってつい…本当にごめんなさい。私はAAです。お察しの通り音楽関係の仕事をしています！』ペコリ(お辞儀

る「いえいえ！全然気にしていないので大丈夫ですよ！」

…良い人過ぎない？

る「あっあの！それでもし宜しければ席、ご一緒しても良いですか？」

そんなの答えは決まっている

『もちろん!良いですよ!』

これが彼と私の出会いーーー

＊＊＊＊＊＊＊＊

る「〜で…」

『ふふっ何それ〜…』

話してみたら彼、るぅとくんはコミュ力が高くてものすごく趣味が私と合った

いつの間にかL〇NEも交換して敬語もなしに

…何か私、彼のペースに巻き込まれてってない？

いや、こんなにも良い人がそんな事する訳ないか

私はそう自分に言い聞かせた

その後も日が暮れるまでるぅとくんと談笑し

今は彼に送って貰っているところ

私は別に送らなくていいって言ったんだけど…

るぅとくんが、

る「女の子を一人で夜道なんて歩かせられません！」

と押し切って来たためこうなってしまった

『ごめんねるぅとくん…』

る「？何でです？僕が送りたくて送っているだけなのに」

ドキッ

胸の高鳴りを感じる

普段はとても可愛いくて天使みたいなのに

ふとした時に見せるカッコいい所

…ものすごく心臓に悪い

この感覚を私は知っている

“恋”

だけど私はこの感情を持ってはいけない

否、持ちたくない

だって…”また”あの人に寝取られる

そう思ってしまうからーーー