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待ち合わせの駅に着くとジョングクくんはすぐに発見できた。
誰だろう?
なんかすごく背が高いしキラキラしてるなぁ。
そう思ってよく見たらジョングクくんだった。
流石としか言いようがない。
私を見つけた途端にぼんやりしていた目がキラッと光った。
「Aさん!!!」
「おまたせ」
「五分遅刻ですよ」
「ご、ごめんね?迷子になった…」
「…来ないんじゃないかって、不安でした」
しょんぼりと眉を寄せて、切なそうな顔をする。
それを見た瞬間に罪悪感と愛おしさで胸が爆発しそうだった。
なんて可愛いんだろう。
「ごめんなさいAさん、昨日、あんなこと言って」
「え?あんなこと?」
「電話で…」
「いいんだよ!全然!!」
未だに切なそうな顔をしているからなかなか顔を見れない。
今すぐ抱きしめたい。
触れたい。
そういういやらしい欲がむくむくと湧いてきてしまう。
「あ、時間…とりあえず乗りましょう」
「うん!」
ジョングクくんは慌てた様子で歩き出す。
私も追いかけるけど、やっぱり男の子の足の速度は早い。
「ま、まって…」
このままだとはぐれちゃう。
「っ、Aさん」
咄嗟に私はジョングクくんの服の袖を掴んだ。
驚いたのか、彼はびくりと体を跳ねさせて停止してしまった。
「ごめん、はぐれちゃいそうで…!」
慌てて手を離す。
「ごめんなさい、気づかなくて」
そう言ってジョングクくんが私の手を握った。
「っ!!」
手を握られている。
ジョングクくんの大きい手が、私を引っ張る。
でもどこか優しい。
あたたかで優しい手が、私の手を包んでいる。
恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
まるで恋人みたい。
いつもより彼の背中がたくましく見える。
私が隠れてしまうほど大きい背。
大好きな人。
なぜか涙が出そうだった。
無事に2人で席に腰を下ろす。
徐々に混んでくる車内。
「座れてよかったね」
「そうですね」
ふぅ、とジョングクくんは体から力を抜いた。
「Aさん、ホテルの事なんですけど…」
「あ、そのAさんって言うの」
「え?」
「ずっと気になってたんだけど、ホソクには私のことヌナ呼びで言ってるのに、なんで直接ヌナって呼んでくれないの?」
ぽぽぽ、とジョングクくんの顔が赤くなる。
そして片手で顔を隠し、私をちらりと横目で見た。
「ヌナって、呼んでいいんですか?」
!!!!!!!!
は、反則すぎるよその反応!!!!!
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時