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「そんなことない!」
「本当ですか?」
慌てて否定したのに、ジョングクくんの声は引くいまま。
はあ、と大きなため息を吐いてから彼は口を開いた。
「俺だって男なんですよ」
「う、うん」
「こういう時、女の子は黙って奢ってもらってれば良いんですよ」
そういうものなのだろうか?
確かに飲み会とかで男の人が奢ってくれるっていうのはあるかもしれない。
でも、やっぱりジョングクくんはまだ高校生だし。
そう言おうとしてやめた。
余計に彼を怒らせてしまう気がする。
「ジョングクに悪いと思って…」
「突然誘ったのは俺ですし、気にしないでください」
「…う、うん」
「それに、突然電話してごめんなさい」
「いいよ、ぜんぜん」
「…おやすみなさい」
プツ、と電話は切れた。
ジョングクくんを怒らせてしまった。
後悔。
あのタイミングで怒るなんて思わなかった。
別に見くびって言ったわけじゃない。
ジョングクくんが年下なのは事実だし。
でも、やっぱり男の子からしたら嫌な態度だったの?
男のプライドというものがあるって、昔ジミンは言っていた。
それなのかもしれない。
(明日、ジョングクくん怒ってないといいなあ…)
お泊まりセットを大きめのカバンに詰める。
喧嘩したまま旅行なんて嫌だ。
楽しくしたい。
ジョングクくんに嫌われたくない。
ジョングクくんの笑顔を想ってベッドに横になる。
夢の中で会えるかな?
最近いつもそう思っている。
夢の中で、私たちは恋人になっていますように。
そしてそれが正夢になりますように。
ぐっと強く目を瞑る。
帰り際の嬉しそうに笑うジョングクくんを想いながら眠りについた。
ピリリリリ…
「ん、うるさ…」
耳元で鳴り響くアラーム。
今日は休みの日だからゆっくり寝たいのに。
「…あっ!!!」
ジョングクくんと旅行!!!
それは夢じゃなかった!!!
時計を見ると10時30分。
化粧をして着替えて、間に合うかな!?
今日はいつもよりちゃんと化粧をしよう。
少しでも可愛い自分を見て欲しい。
ジョングクくんに見られても大丈夫な私になりたい。
そう思っていたのに、、
「これから間に合うかな〜」
普通に寝坊してしまった。
よくやることだけれど、自分の馬鹿さ加減には呆れてしまう。
そしてそんな自分が嫌でたまにちょっと泣きたくなる。
「よし、頑張る」
頰をぺしっと叩いて私は鏡に向かった。
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時